「名人・青木功式パットにはカップの入り口は一つやが、杉原式には4つもあるんやで」【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集㉓】
5番アイアンで距離感をつかむ
ーー「5番アイアンで50ヤード打つ練習からや。1本のクラブで距離を打ち分けることで距離感つかむんや」 100ヤード以内からの距離感をつかむいい練習法をお教えしましょう。 一口に距離感をつかむといっても、そんなに簡単やない、思います。 ボクらみたいに若い時から毎日のようにゴルフやってれば、距離感は体に自然に沁みこみますが、特に遅くゴルフ始めた人など苦労するやろ思います。歳をとってくると、距離感などの感覚は鈍ってくるのは止むを得ず、それで頭で作ろうとしますやろ。しかしそれでは身につきません。やはり体で覚えなければだめです。 ボクが勧めるのは、1本のクラブで距離を打ち分けてみる練習ですわ。まず5番アイアンを持って、50ヤードを打ってみます。50ヤードというのはいうまでもなく、100ヤードの半分なんでそれが基準になるからです。 短かかったら、もう少しバックスウィングを大きくしてみる。逆にオーバーしたらバックスイングを小さくしてみる。その場合、大事なことは5番アイアンのフルショットと同じリズム、テンポで打っていくことです。そやから、距離の調節はバックスウィングの大きさでということになります。50ヤードができたら次は100ヤードにトライしてみましょう。 そして5番アイアンでできたら、次はフェアウェイウッド、ドライバーというふうに番手をあげていきます。あげるごとに難しくなっていきますよ。 ドライバーで50、100ヤードときっちり打てるようになったら、100ヤード以内の距離感は体にしっかり刻み込まれたといっていいやろね。 大きなクラブで短い距離を打ち分けることが完成したら、本来打つべきウエッジを持った時、なんや簡単やなと思われることでしょうね。 文/古川正則(ゴルフダイジェスト特別編集委員)
みんゴル取材班
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