見た目もよし! 飛びと操作性を兼ねそなえたバーディの狙えるアイアン『テーラーメイド P770アイアン』【ヘッドデータ分析で判明】
フェード系に打てるイメージが湧く
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「Dynamic Gold MID115」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。 クラブ長さは7番で36.75インチとやや短いですが、クラブ重さが431.4グラムと「重い」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが272万g・㎠と大きくなっています。 計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが46m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。 ヘッドは前モデルと同様にオーソドックスな形状が継承されながら、前モデルよりも少しフェース長が短くなり、小ぶりなマッスルバックのようなプロモデルヘッドです。アドレスではFP(フェースプログレッション)が大きいストレートネックでシャープなトップラインでスクエア感があり、前モデルよりもソール幅は広くなり、少しディープフェースになっています。
実際に試打したところ、ヘッドはオーソドックスな形状で構えやすく、米国モデルらしくフェースのリーディングエッジが丸くトップラインがストレート系なので、フェース面には逃げ感が出ており、球をつかまえ過ぎないフェード系弾道で打てるイメージが出ています。 試打シャフトがスチール仕様なことからクラブ重量が重い設定になっています。フレックスがSながらも硬くしっかりしているので、パワーのあるゴルファーがダウンブローに打ってもしっかり耐えてくれます。 フェース面は軟鉄よりも硬いクロモリ鋼なので打感は硬く、インパクト音はヘッド内部の充填材で少し抑えられ、フェース面の弾き感はいい感じです。 リアルロフト角が32.4度とやや大きいおかげで、フェアウェイのあるがままの状態からでもボールは上がりやすく、上から狙ってグリーンに止めやすくなっています。 前モデルよりフェースが少し短くなったことでラフからのヘッドの抜けが良くなっています。さらにヘッドの操作性が判断できるネック軸回りの慣性モーメントは標準的です。ダウンスウィングでのヘッドの操作性も良好で、インテンショナルに弾道を操作しやすくなっています。 ヘッドの慣性モーメントは小さく、決して打点ブレにやさしいヘッドではありません。ダウンブローにロフトを立てながらインパクトし、きれいにソールが抜けるアイアンなので良いスウィングを身につけるのにもいいアイアンでしょう。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年10月15日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
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