読売333、資産運用立国を推進へ…「指数市場は活性化する」
読売新聞社が来年3月から、新たな株価指数「読売株価指数(読売333(さんさんさん))」の算出・公表を始めるのは、日本の株式市場へ投資する際の新たな視点を提供するためだ。投資された企業の成長と、国民の資産形成が好循環する「資産運用立国」の推進を狙う。 【図】「読売333」値動きのイメージ
株価指数
上場企業は、株式が市場で取引されて株価が日々変動する。株価指数は各企業の値動きをひとまとめにして市場全体の動向を示したもので、指数によって対象企業や算出方法が異なる。
米国や日本など各国市場の動向を示すものが、代表的な指数として知られる。米国のダウ平均株価(30種)や米主要約500社でつくる「S&P500」などが世界的に知名度が高い。また、企業規模や業種別、「脱炭素」や「半導体」といったテーマ別など、国内外に無数の指数が存在している。
資産運用会社は、これらの指数に連動する投資信託などを作る。投資家は成長が期待できる投資信託に資金を投じることで、分散投資をしながら中長期的な資産形成ができる。
成長可能性
読売333は、大企業などに偏ることなく、将来的に成長する可能性がある企業の値動きを取り込めることが特徴だ。構成銘柄の値動きを同じ比率で反映する算出方法「等ウェート型」を採用しており、中長期的なパフォーマンスの良さが期待される。
銀行や証券会社の資産運用事業を支援する、日本資産運用基盤グループの大原啓一社長は「日本の資産運用業界にとって前向きなステップだ。将来的にはグローバルな指数への展望も期待したい」と述べた。
指数に詳しいSMBC日興証券の伊藤桂一氏は、「日本市場の規模からすると銘柄数は妥当で、(新指数の登場で)指数の市場は活性化する。ただ、競争は厳しい」と指摘する。「良い指数だが、普及にはプロモーションが必要」(大手証券)との声もある。
国内指数
日本の代表的な株価指数としては、東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価(225種)が知られている。TOPIXは、旧東証1部上場に相当する約2100社で構成する。企業規模に応じた値動きを反映できる一方、時価総額が大きい企業の影響を受けやすい特徴がある。日経平均は、業種のバランスを踏まえた225銘柄で作る。知名度が高い一方、1株あたりの株価が高い企業の値動きが強く影響する。