山崎元から息子への最期の手紙 保険とはズバリ「損な賭け」。とにかくお金の問題は感情を排して<理屈>と<計算>で考えるべし
今年1月1日、経済評論家の山崎元さんが、食道がんで亡くなりました。楽天証券経済研究所客員研究員として、経済に関する情報発信に尽力されていた山崎さん。闘病中に息子さんを含めた若者へ向けて、「お金と人生、幸せについて大事なこと」を書き下ろしました。そのなかで山崎さんは、「お金には、誤解しやすい罠や誤った俗説が多々存在している」と言っていて――。 【書影】渾身の力を込めて書き下ろした最後の一冊。山崎元『経済評論家の父から息子への手紙:お金と人生と幸せについて』 * * * * * * * ◆お金の問題は感情を排して理屈と計算で考える 手持ちのお金を増やすための資産運用をはじめとして、お金の問題には誤解しやすい罠や、誤った俗説が多々存在している。 誤解が存在する主な理由は、お金の問題は人間の「感情」に働きかけやすいので、本来、論理や計算で処理されるべき問題の答えを間違えやすいこと(行動経済学的理由)と、金融ビジネス業界が自ら儲けるために流している誤解や俗説の影響が方々に存在すること(ビジネス的理由)の主に二つだ。 他人の話を真に受けたり、ビジネスに影響された書籍や記事の影響を受けたりすると、お金の扱い方で間違いを犯しやすくなる。 一つひとつの問題に直面した時に、自分の頭を使って論理と計算で解決することが肝心だ。お金の問題は、金額で正否が評価できるので正解を確認することが比較的簡単だ。
◆人間関係とお金の問題を完全に切り離せ 人生の中で出会ういろいろな人たちの中には、お金の貸し借りを申し入れてきたり、生命保険などの保険、儲かるという触れ込みの投資商品、あるいは金融関係者などを紹介しようとする人がいるにちがいない。 お金の貸し借りは微妙な問題で、案件によっては常に断るのがいいとも限らないが、友人・知人が相手だと、貸しても借りても、ストレスが大きい。 「基本的には、やめておけ」と言っておく。付け加えると、債務の保証人は「絶対にやめておけ」と言っておく。 また、生命保険と投資商品は、友人が紹介するようなものにろくなものはないので、一切関わらないと決めておくことが肝心だ。 「悪いけれども、ポリシーとして、友情とお金は一切絡めないことにしている」という言葉を用意しておこう。
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