年間ランク1位のシナーがATPの表彰セレモニーに出席「最も特別なトロフィーの1つ」と喜びのコメント<SMASH>
男子テニス世界ランク1位のヤニック・シナー(イタリア/23歳)が、現在開催中のシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/ハードコート/FIN)で催された年間1位を表彰するトロフィー授与式に出席。また1つ大きな勲章を手にしたことへの喜びを語った。 【動画】シナーの年間1位を表彰! ATPファイナルズでのセレモニーの様子 今季は“シナーの年だった”と言っても過言ではない。1月の全豪オープンで念願の四大大会初優勝を飾ると、6月にはキャリア初となる世界1位をマーク。勢いそのままに9月の全米オープンでグランドスラム(四大大会)2勝目をゲットし、10月に優勝した上海マスターズでは男女を通じてイタリア人選手初となる年間1位を決めた。 母国ファンの前でシナーが大きなトロフィーを掲げると、会場からは大歓声。新たなマイルストーンを手に入れた23歳の王者は身近な人々への謝意を交え、次のようにコメントした。 「素晴らしい気分。ここイタリアで観客とこのような瞬間を共有できるのは特別なことだ。この功績は自分の周りにいる全ての人のおかげであり、特に僕がずっと一緒にいたいと思う人たちのおかげだ。(キャリアのスタートから)彼らと共に道を歩んできたからそう感じるよ」 ATP(男子プロテニス協会)公式サイトによると、この日は家族も会場に駆けつけたそうだ。シナーは自身の成長をずっとそばで見守ってくれている母親の存在の大きさを強調しつつ、名誉ある年間1位の意義をこう語った。 「今、母が(僕の姿を見て)泣いていると聞いたばかりだが、とてもかわいらしいことだなと思った。僕が13歳くらいの頃から、家族としてどれだけの犠牲を払ってきたかを知っているのは彼らだけだ。今、僕はここで、おそらく最も特別なトロフィーの1つを手にしていると思う。というのもこのトロフィーを掲げるには、1年間非常に安定したテニスをしなければならない。だからこれは間違いなく、獲得するのが非常に難しいトロフィーだろう」 なおシナーは今年のファイナルズにイリ・ナスターゼ・グループとして出場しており、現地10日のグループリーグ初戦でアレックス・デミノー(オーストラリア/9位)に6-3、6-4で快勝。次戦はテイラー・フリッツ(アメリカ/5位)と顔を合わせる。 文●中村光佑