なぜ大谷翔平は44号と4回途中6失点KOの明暗を演じてしまったのか…敵の5番打者は「スプリッターが鋭くなかった」と分析
地元紙のロサンゼルスタイムズ紙は、「エンゼルスがアストロズに敗戦する中で、大谷が44号本塁打を放つがマウンドで苦闘」との見出しを取り、「大谷はとてつもなく強烈な一打を放ち、とても強力な球を何球も投げ、この51年で成し遂げられていないことを果たしたが敗戦という暗い失敗を残した」と伝えた。 51年ぶりの珍事とは、4回二死二、三塁で歩かされた敬遠。ア・リーグで投手としての敬遠は51年ぶりだという。 同紙は44号ソロの打球速度が114.7マイル(約184.6キロ)で、本塁打王争いで、ゲレーロJr.とぺレスに2本差をつけてトップをキープしたことを伝えると同時に投手としての敗戦を詳細にレポートした。「1週間前にシーズン最多の117球を投げて以来の先発となった大谷にとってマウンドでの結果は打席とは違うモノになった。直球のうち5球は98マイル(約158キロ)に達したが、彼は、ほぼ動きのなかったスライダーや、散発的にしかコントロールできなかったスプリッターと、退屈な球となったカッターに多くを頼った。大谷(9勝2敗)は今シーズンの投球で47.5%を4シーム、19.9%でスライダーを投げてきたが、金曜日の彼は77球のうちスライダーを32球、スプリッターを12球、カッターを8球投げ、4シームはわずか25球だった」とし、その配球が9安打6失点を許す原因になったと指摘した。 オレンジカウンティレジスター紙は「大谷の連勝が終わる」との見出しを取り、「大谷(9勝2敗)は、エンゼルスでは、2018年以来となる10勝への挑戦に失敗し連勝は8で止まった。大谷はキャリア最多となる9安打を許し、奪三振はわずか1つ。奪三振が複数回なしに3イニング以上を投げたのは彼のキャリアで初めてのこと」と紹介した。また同紙は、リーグでトップのチーム打率を誇るアストロズ打線につかまった理由を前回登板のレンジャーズ戦での117球の影響だという見方を示し、「マドン監督は前回登板で大谷をキャリア最多となる117球まで引っ張った。マドン監督は、大谷の今回の先発に影響があったと思っていなかったが、大谷は、あの試合がいくらか影響したと感じていることを認めていた」と続けた。 エンゼルスの残り試合数は21試合。「2桁勝利&2桁本塁打」への挑戦機会は、2試合、無理をして3試合だろう。本塁打王、MVP争いと共に“ルース超え”へ。全米の注目が集まる。