来年65歳以降も70歳まで雇用継続できることになりました。7つ年下の専業主婦の妻は、これからも社会保険料を払わなくてよいのでしょうか?
雇用延長中のAさんの妻は、専業主婦で第3号被保険者です。Aさんが65歳になっても、厚生年金保険に加入していれば、妻は何も手続きがいらないのでしょうか? FPが解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
第3号被保険者とは
日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人は、国民年金への加入が法律で義務付けられています。加入者は3種類に分かれていますが(※1)、第2号被保険者に扶養されている配偶者で、原則として年収が130万円未満の方が第3号被保険者です。第2号被保険者とは、厚生年金保険や共済組合等に加入している会社員や公務員を指します。 Aさんは新卒で入社し、これまで第2号被保険者でしたが、65歳以降も同じ会社で働くつもりです。 この第3号被保険者は、国民年金の保険料を第2号被保険者の加入制度が負担する仕組みになっているため、保険料の自己負担がありません。 でも、Aさんが65歳のときに妻はまだ58歳です。60歳までの2年間、保険料納付の必要がありますから、65歳でAさんの年金制度適用に変更があるのか、気になるところです。
第2号被保険者は何歳まで?
第2号被保険者の要件は、上記に加え65歳未満の人および65歳以上70歳未満で老齢基礎年金の受給資格を満たしていない人となっています。受給資格を満たすには10年以上の加入期間が必要ですが、Aさんは新卒から勤続しており受給資格を満たしています。 このように65歳に到達し老齢基礎年金の受給資格を満たす場合、第2号被保険者の資格を失うと同時に、妻も第3号被保険者ではなくなり、第1号被保険者となるのです(※2)。 第1号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者、学生、無職の人など第2号被保険者、第3号被保険者でない人です。 国民年金は、60歳到達まで加入が必要ですから、妻はあと2年間、自分で国民年金保険料を納付することになります。市区町村役場の国民年金窓口あるいは年金事務所で、第1号被保険者への変更手続きが必要ですので、漏れのないよう気を付けましょう。 なお、仮に夫との歳の差が5歳未満だった場合、Aさんが65歳到達する前に妻は60歳になります。この場合、夫の年齢にかかわらず60歳になったことで、自動的に第3号被保険者資格を喪失します。特に手続きは不要です。