神戸国際大付 特進クラスの主将、敗戦の中に学び 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第6日の25日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦の最初の1試合が行われ、神戸国際大付(兵庫)は仙台育英(宮城)に敗れた。神戸国際大付の4番で主将の西川侑志捕手(3年)は2安打を放ち、盗塁も3度封じたが、第77回大会(2005年)以来の8強入りはならなかった。 【神戸国際大付と仙台育英の熱戦を写真特集で】 ◇西川侑志捕手 部員のほとんどが所属するアスリートコースではなく、大学進学を目指す特進クラスに所属する冷静沈着な主将の頭脳が大きく狂わされた。投手陣が14安打を浴びて計13失点。「序盤から得点され、歯止めが利かなくなった」。リードする扇の要として、責任を痛感した。 仙台育英打線には初球から振ってくる打者が多いと分析し、先発・阪上のスライダーを多く使い、打ち気をそらして内野ゴロに打ち取る作戦だった。しかし、五、八回をのぞいて毎回失点。相手はボール球には手を出さず、野手がいないところにしっかり打球を運ぶ技術を目の当たりにし、「コントロールなど投手力の向上が必要だ」と痛感した。 授業のため、週3日は2時間程度遅れてチームに参加する。練習の遅れを取り戻すために利用するのが朝だ。毎日午前6時過ぎに起床し、パジャマ姿のまま10~15分、素振りを繰り返す。突き動かしているのは、4番の自覚だ。 大敗を喫したが、収穫もあった。打っては四回に左前打を放つと、九回2死一塁の第5打席も左前打で計2安打。守っては二塁送球が1.9秒の強肩を披露し、3度も盗塁を阻止した。「しっかりした守備ができたことが、甲子園での成長」。聖地で手に入れた新たな教材が、さらなる成長に導いてくれるはずだ。【藤田健志】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。