スーパーが右回りに設計されている理由とは? あなたもハマっている!? ダイエットのプロが教える「スーパーの心理術」5選
ダイエットが思うように進まない理由の一つには、いつもの行動パターンが無意識に影響していることがあるみたい。 【写真】スーパーで衝動買いするのではなく「賢い買い物客」になるには? 「スーパーやコンビニで『何を食べるべきか』を考えながら歩き回るものの、知らず知らずのうちに自分の慣れた選び方に従ってしまうことが多いのです。しかし、店舗のレイアウトが私たちの選択にどのように働きかけているかを理解することで、より効果的に食品を選び、賢い買い物ができるようになります」と、ホリスティック・ヘルス・コーチのAYUMIさんは言う。「正しい買い物術」を学び、ダイエット成功への第一歩を踏み出そう! ▼AYUMI NYの栄養学校にてホリスティックヘルスコーチの資格を取得、栄養指導者として女性たちの人生向上をサポート。世界100種類以上の食事理論、ライフスタイル、文化に精通する経験から、個人カウンセリング、企業プログラム、商品企画、など多方面で活躍中。
大半の人が「まず右へ」曲がる!?
海外では「The Invariant Right」と呼ばれ、多くの人が店に入るとまず右側に向かい、店内を反時計回りに回ることが多いとされています。これは、世界の人口の半分以上が右利きであり、自然と右側に注意を向けやすい傾向があるためです。また、多くの建築や店舗のレイアウトはこの心理を利用し、購買意欲を刺激するように設計されています。特にアメリカの小売店では、顧客が入店してすぐ右に曲がるよう意図的に設計されており、その右側に目立たせたい商品や買い物カゴを配置することが一般的です。このように、レイアウトには私たちの行動を誘導する工夫が凝らされているのです。
スーパーの店舗レイアウトが心理学に基づいて設計されている
多くの店舗では、商品の販売を最大化するために、棚の配置、商品陳列、装飾、色使い、そして店内の動線までが綿密に計算されています。これらの要素が私たちの潜在意識に働きかけ、自然と購買意欲が高まるよう工夫されているのです。ここでは、そんな心理学に基づいたスーパーの「秘密」をいくつかご紹介します。 心理に基づくスーパーの「5つの秘密」 1. 入口戦略 スーパーに入った瞬間、私たちが最初に目にするのは入口付近の商品です。実はここから、購買意欲を高める戦略が始まっています。多くのスーパーでは、入口付近に新鮮な果物や野菜がずらりと並べられ、色鮮やかで旬の野菜や果物が目に飛び込んできます。これらは「安全」「心地よさ」「健康」といったイメージを私たちに無意識に抱かせ、健康的な自分を思い描かせる効果があります。その結果、より良いものを手に入れたいという気持ちが高まり、買い物へのモチベーションが上がるのです。入口からすでに、巧妙な戦略が仕掛けられているのです。 2. 生活必需品はレイアウトの後半や奥に配置 牛乳や乳製品、卵など、日常的に必要な生活必需品がスーパーの奥に置かれているのを目にしたことがあるでしょう。これは意図的な配置です。スーパーの奥にこれらの必需品を配置することで、買い物客は自然と店内を歩き回ることになり、その過程で本来買う予定のなかった商品にも目が向く仕掛けです。必要な商品にたどり着くまでにさまざまな商品と出会うことで、購買意欲が高まり、思わず手に取ってしまうことが増えるのです。このように、生活必需品の配置にも巧妙な戦略が隠されています。 3. 購買者の目線に合わせた商品配置 スーパーでは、購買者の年齢や目線に合わせて、手に取ってほしい商品をその人が取りやすい位置に配置しています。たとえば、お菓子売り場では、お子さん向けのお菓子が低い位置に置かれていることが多く、これがその典型的な例です。大人には気づきにくい場所にあるため、「そんな商品どこにあったの?」と驚くこともありますが、これは子どもの目線に合わせた陳列が理由です。また、お菓子のカラフルなパッケージは子どもの視覚を刺激し、味覚以上に楽しさや面白さを引き出しやすくしています。 さらに、店舗では特に購入してほしい商品を目立つ高さに配置することで、私たちが自然と目の前のものに手を伸ばすよう工夫しています。これにより、目線に合わない高い位置や低い位置の商品を見落とし、結果としていつも同じ商品を手に取ってしまう傾向が生まれるのです。心理的に、目の高さにある商品が手に取りやすくなるという効果をうまく活用しています。 4. 最後の一押し レジエリアには、小さな和菓子や飴、ダイエットバーなど、つい手に取りたくなる商品が並べられています。これはレジ待ちの間に「ついでに買っておこうかな」と思わせるための工夫です。一口サイズの商品は値段も手頃で、買い物カゴに入れやすいため、気軽に追加されやすくなっています。また、レジ待ちで感じるちょっとしたイライラを和らげ、有意義な時間に転換する効果も狙っています。最後の一押しで購買意欲をくすぐる戦略が、ここにも巧みに隠されています。 5. 音楽と視覚による誘惑 多くのスーパーでは、その店舗独自のオリジナル曲が流れていますが、これにも理由があります。アップテンポで明るい曲調の音楽は気分を高揚させ、購買意欲を刺激し、自然と足を速めさせる効果があるのです。さらに、何度も聴くうちにその曲に親しみを感じ、「またこのスーパーに来よう」と思う気持ちが芽生えることも狙っています。 また、視覚的な工夫も店内のあちこちに仕掛けられています。新鮮な果物や野菜などは自然な色合いで「安心」や「健康」をイメージさせますが、それ以外の加工食品やお菓子などは派手なパッケージで視覚的に強く訴えかけてきます。さらに、肉類や魚、乳製品に至っては、見た目をよくするために鮮やかな色を添加する場合もあり、これもまた購買意欲を高めるための工夫です。音楽と視覚効果を巧みに使いながら、スーパーは私たちに商品を手に取ってもらえるよう、さまざまな誘惑を仕掛けているのです。