蒔絵師の娘、一周忌に合わせ両親が決意の納骨「皆と会えるように」…能登地震11か月
18年に独立すると仕事の依頼も増え、実家からの仕送りが必要なくなった。
娘の作品はほとんど焼けてしまったが、既に納品していた100点ほどが残っていた。取引先の厚意で数点の作品が夫婦のもとに届いた。輪島塗には珍しい作風が人気を集めていたことも知った。
家族で行った京都旅行や自宅での笑顔――。夫婦は毎日のように怜奈さんのことを思い出す。
家族は今月中旬、実家近くの墓に納骨するつもりだ。小中高や短大時代の友達が今でも訪ねてくるからだ。「『まだ家にいてもいいんだよ』って思うけど、お友達も会いたいだろうからね」と、裕子さんはさみしげに笑った。