「あんたら、何やってんだ!」長蛇の列もお構いなしの高齢グループに怒鳴る客。減り続けるみどりの窓口で今、リアルに起こっていること
JR東日本は5月、みどりの窓口の削減計画を凍結すると発表した。徐々にみどりの窓口を減らしてきていたが、方針転換を余儀なくされたかっこうだ。 都心の主要駅から窓口がなくなったため、混乱が起きたためだが、何が問題だったのか。 大型連休の前や、台風など自然災害で電車が遅延するときなどは、長蛇の列をなしているところもあるが、普段は閑散としている光景を見ることも多い。チケットレス化やモバイル化、そして経費削減の一環によるものだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「ビックターミナルのみどりの窓口を訪れると長蛇の列をなしていることも少なくありません。発券済みのチケットの変更がオンラインからできない券があるなど、どうしても並ばないとならないこともあります」。 たびに不慣れなケースで並んでいる人、機械操作がわからず並んでいる人、インバウンドの人、イレギュラーなケースでどうしてもみどりの窓口でなければならない人…様々な人が混在しているのがこの問題の大きな難点でもある。 「労働者不足を考えるとこの先増えることは考えにくい。このままなんの打開策も打たなければ、今よりさらにみどりの窓口が混雑する恐れすらありそうです」 みどりの窓口が開設されたのは1965年の9月のこと。窓口で発見される切符(指定券)が薄い緑色だったことから、「みどりの窓口」というネーミングになった経緯がある。指定券の発売が台帳ではなく、コンピューターを使ったオンライン発券になった画期的な出来事だった。そんなみどりの窓口だが、この9月で59年を迎え、制度疲労が顕在化している。 今回は、つい先日、みどりの窓口に都内で30分並んだという女性に話を聞くことができた。 内藤ともみさん(仮名・44歳)は、子供2人を連れて夏休みに帰省するためにネットでチケットを予約し、発券した。しかし子供が熱を出したことで急遽、予定を取りやめることになったそう。 「払い戻しのためにみどりの窓口に行きました。夏休みに入っていたこともあり、みどりの窓口は長蛇の列。近所の駅の窓口はそんなに広いわけでもなく、店の外にまで列が続いていました」。 とはいえ、払い戻しをしないわけにはいかないので、ともみさんは列に並んだという。 「初めの5分ぐらいは比較的スムーズに進んだんですが、店内に入ったところで列がピタリと止まりました。よくみると3つあるカウンターのひとつに3人くらいがカウンターにぎゅっと一塊になっていました。年齢は私よりも上に見えましたね」。 しばらく並んだもののそのカウンターは、ずーっと占領されたまま。結果、この大行列を2つのカウンターだけで回すような状態に。