15年落ちの「ポルシェ カイエン」を徹底テスト 1万ユーロ(約168万円)からのカイエンの実力と価値は?
トランスシベリア、デザインエディション、GTSスペシャルエディションなど、走行距離の少ない希少なモデルは、エンスージアストに特に人気があり、すでに顕著な値上がりを見せている。マニュアル車には数千ユーロの追加料金がかかる。再塗装なしの特別カラー、高価なアロイホイールのアップグレード、PDCCダイナミックロールスタビライゼーション、ダイナミクスを向上させる装備パッケージも、ファンからかなりの追加料金を支払って買い取られている。このことは、優秀な「カイエン」が間もなくクラシックレーンに切り替わることを示している。
本物のポルシェの走り
「カイエン」の走りはこうだ:911の遺伝子を受け継ぐ「カイエン」は生粋のポルシェである。全輪駆動はパワーを静かに、そしてほぼ完璧に配分する。ドライビングダイナミクスの面で、このカテゴリーにおけるベンチマークであり続けている。
エンジンによっては、「カイエン」は非常に印象的なレベルに達する。VWが供給するベーシックなV6ガソリンエンジンは290馬力を発揮し、時折タイミングチェーンが伸びることを除けば問題はない。「カイエンS」と「GTS」に搭載される自然吸気V8(385/405馬力)は、明らかにパワフルだが、残念ながらより繊細でもある。ニカシルでコーティングされた軌道面は経年劣化で剥離することがあり、その結果、オイル消費量が多くなり、ピストンスキップはエンジンにとって致命的となる。「ターボ」と「ターボS」は、スポーツカーに匹敵するパワーを持つが、燃費は100km走行するのに20リッター(リッターあたり5km)を必要とする。VWグループで「3.0 TDI」として搭載されていた240馬力のパワーと十分なトルクを持つV6ディーゼルエンジンは、リッターあたり7.6km~11.1kmという適度な燃費で「カイエン」を購入する大多数の人にとって、日常使用には十分なはずだ。
充実したサービスヒストリーは必須
「カイエン」の中古車には安易に手を出さない方がいい理由もある。多くの車はメンテナンスや修理のやり残しがかなりある。そのため、信頼できる記載がある整備手帳が不可欠である。 我々のお気に入り ・豪華な車両コンセプト ・驚くほど高い潜在的実用価値 ・V8モデルの印象的な走行性能 不満な点 ・多額の維持費 ・市場に出回っている未修理部分のあるモデルの多さ ・時代遅れの燃費