新1000円札の「北里柴三郎」が、旧札の「新渡戸稲造」に似ているという父。似てる人ってまぎらわしくないの? 肖像画の人物はどんな基準で選ばれる?
新渡戸稲造ってどんな人?
新渡戸稲造は、日本の教育者であり、世界に日本文化を広めた人物です。有名な著書のひとつには「武士道」があり、武士の精神や日本の価値観を海外に広く伝えました。 学問では農業分野に精通しており、札幌農学校で学んだ後、留学先のアメリカやドイツでも研究を重ね、日本の農業の発展に貢献しています。また、東京帝国大学や第一高等学校で教鞭をとり、教育者として若者の育成にも力を注いできました。 さらに、国際連盟の事務局次長を務めたこともあり、国際平和を叶えるため、日本と世界をつなぐ橋渡しの役目も果たしています。このように新渡戸稲造は、日本のみでなく世界でも活躍した「国際人」なのです。
お札に選ばれる人は、教育や文化に大きな影響をもたらした偉人
お札の肖像画として選ばれる基準に明確なものはありません。しかし、「日本の顔」のひとつとも言えるお札の肖像画に選ばれる人物は、日本の文化、教育、医療といった面で多大な貢献と影響を与えた、まさに人生の「お手本」としたい人物ばかりです。 最近のお札に選ばれる人物は、明治を中心に活躍した人が多いので、その時代を反映したファッションをしていることもあり、新しいお札に見慣れないうちは「昔のお札の肖像画と似ている」と感じる人もいるでしょう。 しかし、肖像画に選ばれる基準は「日本の発展に多大な功績を残したか」であり、「肖像画の人物が似ているか」という点ではありません。北里柴三郎と新渡戸稲造は、いずれもその功績が評価され、お札の肖像画にふさわしい人物と言えるでしょう。 出典 日本銀行 現在発行されている銀行券・貨幣 日本銀行 五千円券 国立印刷局 お札の肖像について 執筆者:渡辺あい ファイナンシャルプランナー2級
ファイナンシャルフィールド編集部