新紙幣が発行されたら“旧紙幣”はどうなるの?「紙幣の寿命」や「旧紙幣のゆくえ」について解説
2024年7月、日本銀行は新しい紙幣を発行しました。 もう手にした人もいるかもしれませんが、発行されて日が浅いため、まだ実物を見たことがないという人もいるでしょう。 新紙幣が発行されると旧紙幣の流通量はだんだん減っていきますが、旧紙幣はどのようにして市場から姿を消していくのでしょうか。 本記事では日本に存在する流通紙幣の枚数やその寿命、使用不可能となった紙幣のその後の行方について、元銀行員である筆者が解説します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
日本の流通紙幣はどれくらいある?
日本銀行によると、2023年の大みそかに、家庭や企業、金融機関などで年を越した紙幣は合計で124兆6000億円、紙幣の枚数としては約185億枚あります。 流通紙幣はあまりに増えすぎると市場での紙幣の価値が下がり「インフレ」状態になってしまうため、市場の需要に応じて、日本銀行が流通紙幣の枚数を管理しています。つまり、新紙幣が発行されても、日本国内の流通紙幣が一気に増えることがないよう、日本銀行によって調整されているのです。
紙幣の寿命
紙幣は丈夫に作られているとはいえ、紙でできているので一定期間流通すると寿命が来てしまいます。平均的には、一万円券が4~5年程度、釣り銭でのやりとりや使用頻度の高い五千円券と千円券は1~2年程度となっています。 つまり、現在流通している紙幣のほとんどは、およそ1~5年で旧紙幣から新紙幣に移行されます。
「損券」として回収される流れ
「寿命」と判断された紙幣を「損傷銀行券」、通称「損券」と呼びます。損券の状態は「水にぬれてしわしわになったもの」「洗濯をして縮んだもの」「破れたもの」「燃えたもの」などさまざまです。 銀行では、窓口で「損券」に該当しうる紙幣を受け付けた場合、その損券の損傷具合が紙幣の端がほんの少し欠けている程度であったり、折り目が少し破れている程度であったりする場合は、その場で入金・両替をすることもあります。 しかし破損が著しい損券は銀行の管轄の日本銀行に現物を送って鑑定を依頼します。そのため入金や両替には数日から数週間かかることもあります。 日本銀行では、これらの損券の引換基準として、表・裏両面があることを条件に残った面積で価値を決めています。紙幣の残った面積と価値は図表1の通りです。