福岡・天神に14年ぶり、よしもとの常設劇場が復活 福岡の笑いを変えるのか?
数々の現場経験やヒット作を手掛けてきた泉さんから見た福岡のお笑い事情とは? 「福岡で芸人がテレビに出ると言えばレポーターの仕事が多く、芸人がネタをやる環境がない。せっかく面白いネタを持っていても伝わりにくい状況。だとしたら、そんな場を作るしかない」 福岡への転勤後すぐ、場所探しに動き出す。 「せっかく華大が全国区で活躍している今、後に続く芸人を輩出できるように、まずは天神か博多で笑いがやれる拠点を作ること。福岡の方にお笑いを楽しんでもらう環境作りが第一だった」
その候補地として、天神のど真ん中にあるビブレホールに白羽の矢が立った。110席のキャパで芸人との距離が近いのもウリ。DIYが趣味という福岡よしもとの芸人・高田課長が指揮をとり、芸人やスタッフで内装、外装ともに手作りで完成させた。入口のポップなデザインはなかなか個性的だ。劇場内には、パラパラマンガで話題を集めた鉄拳や銀シャリ・鰻、ロバート・秋山、野性爆弾・くっきーらの芸人が「福岡」をテーマに描いたアート作品が飾られている。
オープン当日に開かれた会見で博多大吉は、「博多駅の交通センターにあった劇場は漫才の最中、隣のゲームセンターの音が漏れ聞こえていた(笑)。いろいろあって閉館しましたが、今回こうやって劇場が復活して感慨深い」と笑いを誘う。 オープンに際して駆け付けた和牛は「福岡と和牛は二人三脚でやっていく」と前のめり。昨年冬、博多大吉さんの誘いで福岡に拠点を移したサカイストは「劇場で漫才を一つ一つやっていきたい。いろんな芸人を楽しんで」と呼びかけた。 福岡事務所所属の若手芸人による「カタメンライブ」や「バリカタライブ」などワンコインで見られるお笑いライブが充実したほか、福岡よしもとメンバーによる演劇ユニット「博多おっしょいズ」の公演、高田課長のDIYワークショップ、バルーンアーティストでもある芸人・松下笑一による風船ワークショップなど、芸人の得意技を生かしたプログラムも盛り込む。