【裏返すと違いが一目瞭然】素材や厚みだけじゃない! アウトドアのソックス選びで比べるべきは「裏地」です
みなさん、アウトドア用のソックスは何を基準に選んでいるだろう。なんとなくの厚みと長さ、あとは好みの色だから、くらいの感覚で選んでいる方が多いのでは? ■【画像】こんなに違う!「用途別アウトドアソックス」の裏地比較 ウエアやギアと同様、じつはソックスにも用途に合わせた仕様がいくつもあるんです。知っていることも知らないことも含めて、押さえるべきポイントをおさらいしてみよう。
■素材はウールか、化繊か、混紡か
街用とアウトドア用ソックスの一番の違いは、まず素材だろう。コットンが主な街履きに対し、長時間履き続けることが多いアウトドア用は吸湿・保温性に優れ、天然の防菌・防臭作用が期待できる「ウール」か、吸水速乾性と強度に優れる「化学繊維」、もしくは両方の特長を兼ね備えた「混紡素材」が主に用いられる。 もし、普段コットンのソックスばかり履いている方は、素材を意識して選ぶだけでも、大きな違いを感じられるはずだ。アウトドア用にコットンを選ぶメリットといえば、手頃な価格面くらい。特に足先が汗や雨で濡れやすい登山やトレランをするなら、速乾性や保温性を備えた素材選びが非常に重要となる。 続いて、靴や用途に合わせて丈の長さを選ぶ。 基本は靴と足との干渉を避けるために、靴の高さよりも長いものをセレクトする。ローカットのシューズには、くるぶしやスネまでの丈、トレッキングブーツやスキーブーツには膝下丈。これは、難しいことはないだろう。
■裏返してみると、違いがよくわかる
長さと併せてチェックしたいのが、ソックスの裏側にある「パイル」と呼ばれるタオル地のようなモコモコした部分。これはクッションの役割を果たし、靴擦れを防ぐ重要なパーツで、用途に合わせて靴と足が干渉しそうな位置に配されている。ちなみに、保温性や吸水性を高める役割も兼ねている。 激しい運動を想定していない街履き用ソックスを見てみると、パイルがまったくないか、保温性を重視して全体に入っているのかのどちらかであることがわかるだろう。 対して、アウトドア用は適材適所。例えば、ハイキング用はつま先とカカトに厚みを持たせて保護しつつ、他の部分は通気性を考慮して薄めに仕上げられている。また、スキーや重たい登山靴を履くためのソックスは、長いだけでなくスネや足の甲にもしっかりとパイルが配置されたモデルが多い。 つまり、パイルの配置を見れば、そのソックスの大まかな用途を知ることができるのだ。 パイルの厚みによって、ソックスのクッション性(足の保護性能)は決まる。また、パイルが厚くなる=ソックス全体の厚みが増して、保温性も高まる。寒さと対峙する冬のアウトドアでは、保温性はソックス選びにおける重要な要素。また、重たい荷物を背負うときには、クッション性も不可欠だ。 しかし、一概に厚みがあって保温性やクッション性が高ければいいものでもないのが難しいところ。保温性が高すぎて汗をかいてしまうと、汗冷えや靴ズレの原因にもなりかねない。汎用性の高さを重視して通年使える中厚手タイプを選ぶか、夏用、冬用を使い分けるかは悩ましいところだ。