「成功体験を積んで」被災地の野球教室に夢追う親子…角中選手ら“地元出身”プロが直々に指導
北陸放送
2024年の地震で練習場所を失った学童野球の球児たちがいます。12月、石川県中能登町で開かれたプロ選手による野球教室に参加した兄弟、夢の一日から得たものは。 【写真を見る】「成功体験を積んで」被災地の野球教室に夢追う親子…角中選手ら“地元出身”プロが直々に指導 「…むちゃくちゃ広いですね、最高です。僕らからもそうですけど、プロ野球選手からやりたいという感じで」 会場の下見をするのは、石川県野々市市出身の水本弦さん(29)。キャプテンを務めた大阪桐蔭高校と、亜細亜大学で全国制覇を経験しました。 Q 初対面? 「初対面です、よろしくお願いします」 もう一人の仕掛け人は石川ミリオンスターズの今村春輝選手。この2人が中心となって企画したのは、「能登応援プロジェクト野球教室」。石川県内出身、現役のプロ野球選手4人を集め、子どもたちを指導する初めての試みです。 水本弦さん 「(4人は)けっこうこのイベントに乗り気なんですよね」 Q 地元に対する思いも? 「それがやっぱり一番強いんじゃないか。(球児が)練習も全然できていないと聞いたり、家庭の環境も聞いたりするのでそれをすごく感じる」 “地元の子どもたちに野球で恩返しする” プロ選手のみならず、長年野球に携わる人たちも思いは一つです。 ■親子の“室内練習所”が全壊…以前のような練習はできず 「整列!」「おう!」 …「きょうはまたいつも通りトレーニングします。元気出していきましょう」「はい!」 羽咋クラブ。5つの小学校からあわせて20人が所属する学童野球のチームです。 「でかい声出せや、いつも通り」 監督を務めるのは、辻田翼さん。6年生の長男・彪(たける)君はキャプテンを務め、4年生の次男・統(すばる)君も野球に打ち込んでいます。 次男・辻田統君 「(兄は)キャッチャーしているところがかっこいい」 「(地震前は)このへんで練習していました」 自宅の隣には、地震前まで親子の自主練習場がありました。 もともと織物工場だった建物を改装した室内練習場。 父・辻田翼さん 「全部ゴロやがいや!」「ほらあ!」 厳しい声をかける辻田監督。親子3人で汗を流してきた大切な場所でした。去年の元日も…「ここ(室内)で練習していました」。 彪君「地面にひび入ったり、中にあったものが倒れたりした」 統君「屋根ついていたので雨とかでも練習できたんですけど、今はもう雨とかだと練習できなくなりました」 全壊した練習場は解体され、親子は、自主練習の場所を失いました。そんな中、舞い込んだプロ選手による野球教室の話。 Q 将来の夢は? 「自分はプロ野球選手です」 「プロ野球選手きます」「えっ…」 「(ロッテの)角中選手…」「え、そうなん!」 彪君 「色々喋ったりしたい」 父・翼さん 「長男の彪はなかなか自分から前に出ていくタイプではないので(プロに)どんな風な学校生活だったかとかも聞いてほしい。次男の統は自分から勝手に何でも喋るんですけど、野球の技術どういったところを気をつければいいかどんどん聞いてそれを吸収していってくれれば」