【過去30年のデータから読み解く2025年のS&P500】2~3年おきに下落の傾向も長期的には平均10%超のリターン 中間選挙のある2026年は要注意か
2024年、米国株市場は好調に推移し、主要株価指数であるS&P500は、12月の第1週時点で前年比27.68%の上昇を記録している。今後も上昇ペースは続くのか、2025年以降の推移はどうなるのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが過去のデータをもとに今後のS&P500の行方について分析する。
* * * 2024年も残すところあと1ヶ月を切りました。米国株市場では引き続き好調な推移が見られ、主要株価指数であるS&P500は、12月の第1週時点で前年比27.68%の上昇を記録しています。NISAを活用している多くの投資家にとってメジャーな投資先であるS&P500は、来年も上昇するでしょうか。今回は、過去30年間のデータをもとに、その可能性を検証してみたいと思います。
S&P500が2025年に上昇する確率は73.3%
過去30年間のS&P500の動きを調べたところ、上昇した年は22回、下落した年は8回でした。この結果から、S&P500の勝率は73.3%という高い数値となっています。また、年間平均リターンは10.62%となっています。 裏を返せば26.7%の確率で下落する年もあったわけですが、長期的に見れば年平均10%を超えるリターンを出しており、そのパフォーマンスの高さがうかがいしれます。
30%以上の変動はバブルやショックといった特異な状況下が多い
次に、過去30年間で最も大きな上昇と下落を確認してみましょう。 最も上昇したのは1995年で、33.56%の上昇を記録しました。この年から2000年にかけては「ITバブル」と呼ばれる上昇相場が続き、1997年にも31.01%の上昇を見せています。2024年も残り1ヶ月を切った時点で、S&P500は前年比27.68%の上昇を記録しています。もしも上昇が加速して年間30%を超える上昇となったら、バブルを意識する投資家が増えるかもしれません。 一方、最も下落した年は2008年です。リーマンショックの年であり、100年に一度の経済危機と呼ばれただけに▲38.4%と大きな下落となりました。30%以上の変動はバブルやショックといった特異な状況下で起こることが多いです。 また、上昇した年だけの平均リターンを計算すると+19.55%、下落した年だけの平均リターンは▲13.93%となりました。 この結果からも、年間で±10%以上の変動が起こる可能性を考えて投資の計画を立てる必要があるでしょう。
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