“プロ野球人気”を超えた伊勢神宮 国民の人気を維持できるか?
■セリーグの観客動員数を上回る参拝者数 昨年、20年に一度の式年遷宮が行われた伊勢神宮(三重県伊勢市)は、パワースポット巡りブームも手伝って、大変なにぎわいに包まれました。2013年の参拝者数は1420万人という過去最高を記録。この数字は、国民的人気スポーツであるプロ野球のセリーグの観客動員数1220万人を軽く上回りますから、その人気ぶりがうかがえます。
その国民的神社も、2014年に入って落ち着きを取り戻しつつあるようです。意外なことに、1月1日の内宮参拝者は過去5年間で最も少ない数でした。古来から日本人はお伊勢参りが好きですが、昨年のブームが一過性のものなのか、それとも現代日本人に神様への信仰が定着していくのか、注目したいところです。 ■過去最高だった2013年 この勢いを維持できるか 伊勢神宮の事務を行う神宮司庁によると、2013年の参拝者数は、1420万4816人。記録が残る1895年以降で、最も多い数字だったといいます。それも、これまでの過去最高だった約883万人(2010年)を倍近く上回る数字だったわけですから、いかに昨年のにぎわいがすごかったかが分かります。 ですが、2014年のお正月になり、少し様子が変わります。伊勢市観光企画課がまとめた年末年始の統計によると、元日の伊勢神宮内宮の参拝客数は15万645人。過去5年で最も少なく、2010年の20万9350人と比べると、3割近く減っているのです。1月の一ヶ月間で見ると、平年並みかそれより多めの219万人に達しましたが、これからも昨年の勢いを維持し続けるのは、簡単ではないでしょう。 伊勢神宮の参拝者数は、これまでも20年ごとの式年遷宮の時期に応じて、増えたり減ったりの波があります。もちろん、遷宮の年をピークとして、年を重ねるに連れて減少。そして、次の遷宮が近づくに連れて増加していく、というサイクルを繰り返しているのです。