ファストファッションが存在感を強めるなか、伝統技術の 職人 とタッグを組むファッションブランド
伝統技法の存続はブランドにとっても差別化を図る一手に
地元の職人と仕事をするのは高くつくかもしれないが、その分、最低発注ロット数は少なくてすむ。そのため海外の大規模な工場に比べて、新興ブランドにとってはスタートが切りやすい。 今年の第2四半期にクロースリークラフテッドは、若手職人を育成できるガーメント・ディストリクトにいる職人とその志願者を結びつける、初の見習いプログラムを開始する予定だ。 ジジ バリスのバリス氏はレザー職人である夫とともに、職人としてのキャリアの可能性について地元ニューヨーク市の高校で講演を行うなど、すでに精力的に活動している。今後クロースリークラフテッドは、ファッションの伝統的な職人技に焦点を当てたコミュニティ求人掲示板を立ち上げるかもしれないという。 マルカリアンの創業者であるオニール氏は米グロッシーに対し、トレーニングプログラム以外にも、こうした伝統技法を存続させていくためにブランドにできる大きなことがひとつあると語った。それは職人とビジネスをすることだ。同氏は、ニューヨーク市のクイーンズ区にいる熟練のレザー職人と一緒に仕事をしているという。彼はその地域において、手作業で革漉きを行う唯一の人物だ。彼と一緒に仕事をすることで、その伝統技法を存続させるだけでなく、マルカリアンはほかのどの商品とも差別化された商品を生み出すことができる。 「こうした職人たちと一緒に仕事をすることを、私はみんなに勧めたい」とオニール氏は話す。「デザイナーにとって最大の課題は、商品を作るための適切なリソースを見つけることだ。しかしここニューヨークには、共に仕事ができる素晴らしい才能を持つ人々がたくさんいる」。 [原文:Amid manufacturing innovations, these fashion brands are prioritizing traditional craftsmanship] DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida、編集:都築成果) Image via Bottega Veneta
編集部