1年で最も面白い『四季報 秋号』から達人たちが発掘した「ガチ伸び企業10選」
ウーマン むしろ惹かれますよ。事業を調べてピンとこない会社でも、10億円の売り上げがあるならそれは誰かがモノなりサービスなりを買っているわけで。わからないほど理解したくなります。 私は株式投資をほとんどしていないので、世の中にある会社や事業を理解したいという動機で写経をしています。なので、投資目線だと箸にも棒にもかからないような低空飛行の会社でも、学べることは多いですね。 山本 なるほどね。私は上場企業を完全に投資対象として見てますから、規模が小さい、成長性がない会社はじっくり読まない。上場企業は4000社近くあるので、時価総額100億円以上、売上高が最低でも毎年15%は伸びている会社に絞っても、見る会社は山ほどありますからね。 ■社内SNSサービスが今、売れているワケ ――同じ四季報を読んでいても、おふたりの目線がビジネス・投資と、まったく違うのは面白いですね。それぞれの目線で、面白いと思った企業を教えていただけますか? 山本 はい。その前に秋号のポイントからお話しします。 実は年4回出る四季報のうち、一番面白いのが秋号なんです。その理由は、日本で断トツに多い3月決算企業の第1四半期(4~6月期)の実績が見られるから。競馬で言えば、レースがスタートして第1コーナーを回ったところで馬券が買えるようなものです。このスタートダッシュは、秋号の「進捗率」欄を見ればわかります。 ウーマン 第1四半期なので1年を4分割して、25%あればそこそこという感じでしょうか。山本 業務に季節性のある会社以外はそうですね。この進捗率で目についたのが、おもちゃ商社のハピネット。 扱う商品は玩具店向けのおもちゃからコンビニ向けのくじ商品、「ポケモンカード」などのトレーディングカード、カプセルトイなど多岐にわたります。同社の第1四半期の進捗率はなんと42%。なのに、業績予想を変えていないんです。 ウーマン そんなに絶好調なら、普通は上方修正をして株価を上げたいですよね? 山本 おっしゃるとおりで、その理由はおそらく親会社に気を使っているから。同社株式の約24%を保有しているバンダイナムコホールディングスが上方修正をしていなかったので、親を差し置いてはやれないというところでしょう。 ということは、むしろ今が狙い目。バンダイナムコも好調ですから、ハピネットもいずれ足並みをそろえて上方修正するはず。そうなれば株価はドカーンと上がるでしょう。