運動は空腹時と食べたあと、どっちが効果的?2週間づつ試してみた!
ファステッドステイトトレーニングのデメリット
栄養・代謝学専門誌『Current Opinion in Clinical Nutrition and Metabolic Care』に掲載された2023年の論文レビューによると、ファステッドステイト(この研究では体内の糖質が少ない状態を指す)トレーニングは筋肉のタンパク質合成を遅らせて、無酸素性運動能力を低下させる。 しかも、空腹状態でトレーニングを行うと、体は大事な生殖機能のために脂肪と糖質を温存しようとするので、筋肉がエネルギーとして使われる可能性が高くなる。 そのため「女性から『体組成を改善するためにファステッドトレーニングをしている』という話を聞くと『えっ、体脂肪を増やして筋肉を減らしたいの?』と思わずにいられません」とシムズ博士。
今回の比較検討から学んだ教訓
この4週間で私が学んだことを話す前に伝えておきたいことがある。今回のチャレンジはジャーナリズムの名の下に行われたものであり、専門家の指導を受けずに似たようなチャレンジをするのは勧められない。また、私たちの体は1つひとつ違うので、あなたの結果と私の結果は大きく異なる可能性が高い。私が得た教訓をトレーニングに活かしてほしいとは思うけれど、何よりも大事なのは自分の体の声であることを忘れずに。
慢性的に疲れているのは“普通”じゃない
最初にファステッドトレーニングを持ってきたのは、もともと私が空腹状態でトレーニングをすることに慣れていたから。それに、4~5年続けて成果が出ている方法を変える必要はないでしょう? この2週間を終えたあとは例のごとく疲れていたけれど、それは私だけじゃないはず。実際、慢性的に疲れている人があまりにも多いことから、英国民医療サービスNHSは“Tired All The Time”の頭文字を取って“TATT”という略語まで生み出した。でも、フェッドステイトトレーニングをしてみて初めて分かった。いつも疲れているのは当たり前のことじゃない。
食べると頭がシャキッとする
パテル氏はトレーニング中のプロテインシェイク摂取を勧めていない。 アトピーや過敏性腸症候群の治療に腸内環境が絡んでいるのは周知の事実。でも、腸内細菌叢が独自の体内時計を持っていて、24時間周期で動いていることはあまり知られていない。 私はフェッドステイトトレーニングを通して、それをじかに体験した。食べ物が燃料であることは当然分かっていたけれど、朝食が消化された直後は頭がシャキッとして、その日の仕事とトレーニングに対する心の準備が整う気がした。案の定、トレーニングを終えたあとはメンタル的にもフィジカル的にも最高の気分だったし、トレーニングの効率も上がったと思う。