金の価格が20年前の約10倍に 海やパソコンから金を採取!ゴールドハンターに密着
この日、福島さんが向かったのは、研究所のすぐそばにある岸壁。港湾局などの許可を得て、この場所にラン藻シートを沈めたが、今回1年ぶりに引き揚げるという。もし身近な海から手軽に金が採りだせるとしたら、大変な発見だ。この技術が確立すれば、島国日本に再びゴールドラッシュがやって来るかもしれない。果たして、その第一歩となるのか……。
金の“日本ブランド”が海外を席巻「すごく楽に売れる」
6月。香港で、96の国と地域から2万2000人余りのバイヤーが参加する宝飾品の展示会「Jewellery & Gem ASIA Hong Kong」が開催された。その一角にある「JAPANパビリオン」には日本から209社が出展し、会場で一番バイヤーを集めていた。扱うのはメード・イン・ジャパンの宝飾品ばかりで、飛ぶように売れていく。中国本土のバイヤーは「安いのに品質がとても良く、お客に大人気」と、商品を選んでいた。
中でも人気を集めていたのが「ジャパンオークションハウス」だ。親会社は、東京・御徒町の一角にある「リッチダイヤモンド」。インド人の社長、アヌプ・アガルワルさんは、「日本はいいブランド、真面目な国。私たちが海外で商品を売る時、すごく楽に売れる。信用されている」と話す。 1989年、20歳のアヌプさんは、バブルだった日本で一旗揚げようと来日。2年後、インドから宝石を輸入し、日本で販売する会社を立ち上げた。しかし、2000年代の日本市場の冷え込みを受け、輸出業にくら替え。今度は日本の宝飾品を海外に売ると、これが大当たりした。
以前は海外のバイヤーを相手に、頻繁にオークションを開催していたが、4年前、コロナ禍に入ったのを機に、オンラインオークションに。現物を確かめてから買うのが当たり前だった宝飾品の世界が、一変したのだ。 そのためアヌプさんは、一式約1000万円する撮影機材を導入。一つの商品につき、360度あらゆる角度から450枚もの写真を撮り、サイトに掲載している。ルーペ機能もついているので、肉眼では見えない傷も確認できる。アヌプさんは「スピーディーにできる。物が見えるし、自分の好きな時間帯に買えるから、(取引量は)すごく増えた。何十倍になった」と話す。