「若者が何座ってるんだ!」 優先席の妊婦に年配男性が激高…下車時に涙「もう座ってません」
「お互いに助け合って、もう少し優しさが連鎖するような社会になれば」
公共交通機関はそのときどきで乗客の事情が異なり、助けが必要なマークを見落としてしまうことがあるかもしれない。それでも、配慮に欠ける対応や不寛容な出来事は少しでも減らしたいものだ。 産休に入っている妊婦女性は「これまで私は妊婦の方や体が不自由な人を見かけたら、必ず席を譲るようにしてきました。見返りを求めてではなく、それが当たり前だと思っていたので……。実際に妊婦となり譲られる立場になって、正直初めて、こんなにも世の中、冷たい人が多いんだな、と感じるようになりました。 個人的にですが、優先席より普通の席に座っている方のほうが、妊婦だと気付いて譲ってくれる方が多かったです。優先席に座ってる方は大体目を閉じるか、スマホをいじっていて、前に立つ人を見ないようにしている気がします」と実感を語る。 より寛容な社会になっていくためには、どんなことが必要なのか。 「もちろん、優先席は譲ることがマストではないので、私も譲ってもらえることが当たり前だとは思っていませんし、その人の置かれている立場や状況によって、ものの感じ方や考え方が異なることも理解しています。加えて私は不妊治療も経験しているので、マタニティマークを不快に思う人がいるというのも分かっています。昔から『優先席論争』が起こっている気がしていて、『そんなに言うなら公共交通機関を使うな』という意見もネットで目にしました。 いろいろな意見があっていいと思いますが、何かの拍子に自分が優先される側の人間になる可能性があることを認識してほしいです。その立場になって初めて分かること、気が付くことも多いと思います。想像力を働かせたちょっとの優しさで救われる人もいるのです」 お腹に命を宿してから、多くの人々の優しさに触れて暮らしていることも確かだ。妊婦女性は「マイナスなことばかり言ってしまいましたが、優しい方もいて、席を譲ってくださったり、スーパーでは店員さんがカゴを台まで運んでくださったり、妊娠してから見知らぬ人の優しさを感じることも増えました。優先席の問題に限らず、お互いに助け合って、もう少し優しさが連鎖するような社会になるといいなぁと思っています」とメッセージを寄せた。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム