【高校受験2024】京都府公立前期＜嵯峨野高等学校 京都こすもす科＞講評

　2024年2月15日（木）、令和6年度（2024年度）京都府公立高等学校入学者選抜の前期選抜が実施された。京都府教育委員会が2024年2月6日に発表した出願状況によると、全日制は前期選抜募集定員5,307人に対し、1万740人が出願。出願倍率は2.02倍で、前年度の2.01倍から0.01ポイント増加した。 　リセマムでは、京進の中学・高校受験TOPΣの協力を得て、嵯峨野高等学校（京都こすもす科）の学力検査講評を速報する。このほか、堀川高等学校（探究学科群）、西京高等学校（エンタープライジング科）についても、同様に掲載する。 嵯峨野高等学校（京都こすもす科） 講評 （京進 提供） 英語 大問1　リスニング　〔標準〕 大問2　長文読解（自分のことについて）　〔標準〕 大問3　長文読解（種の絶滅について）　〔やや難〕 大問4　語彙　〔標準〕 大問5　整序英作文　〔やや難〕 大問6　英作文　〔標準〕 大問7　自由英作文　〔難〕 　大問1のリスニングは例年通り。大問2の随筆については、英問英答のみとなり、日本語・英語の記述問題の出題は無かった。大問3は、種の絶滅について、サンゴの例を示して述べられている。正しく述べられているもの、書かれていないものを問われたり、文脈に合う文の挿入など精読が求められる。大問4の語彙問題は標準的な問題だった。大問5の整序英作文では仮定法の出題が見られた。大問6の和文英訳問題は例年に比べやや解きやすくなった。大問7は、「中学生はもっと本をよむべきだと思うか」という問いに対して考えと理由を述べる英作文。50語～70語のテーマに沿った自由英作文となっているので、英作文対策を十分にしておきたい。 数学 大問1　小問集合　〔やや易〕 大問2　整数問題　〔やや易〕 大問3　関数（動点）　〔標準〕 大問4　平面図形　〔やや難〕 大問5　関数（放物線と平行四辺形）　〔標準〕 　例年通り大問5題構成。練習を積んできた受験生にとっては何をすれば良いか方針が立てやすい出題だった。大問1の小問集合は確実に得点しておきたい。大問2の整数問題は定義された式を使って、方程式や不定方程式をたてることができれば、難しい問題ではない。大問3は動点の問題で、場合分けして整理することができれば正解することができる。大問4の平面図形は相似比や面積比を使って解く標準的な問題で、（2）では求め方をかく問いが出題された。大問5の放物線と平行四辺形も座標や比例定数を求める標準的な出題だった。(3)では回転体の体積を求める問題で、考え方を記入する必要があった。回転してできる立体がイメージできるかがポイント。昨年も今年も、参考書や問題集で扱われるような題材が出題されており、いろいろな入試問題に取り組んで対応力をつけておきたい。 国語 大問一　論説文　『新しい世界史へ－地球市民のための構想』羽田正　〔標準〕 大問二　小説　『出会いなおし』森絵都　〔標準〕 大問三　古文　『俊頼髄脳』　〔やや易〕 　例年通り論説文、小説、古文の大問三題構成。現代文の記述問題の字数が昨年度よりやや少なくなった。漢字、語彙に関する記号問題は昨年度と同様に出題されている。慣用表現などを含め、語彙力が試される。論説文の記述問題は55字が2問。小説の記述問題は25字以内、60字以内が1問ずつ。字数の多い記述問題に慣れておく必要がある。古文は昨年度までのように2つの文章ではなく、1つの文章から出題された。大問二の小説と大問三の古文に生徒の会話文を用いた形式の問題が出題された。大問二の会話文には、本文の後の場面が数行引用されていた。選択肢の文が長い問題や、生徒の会話文の問題があるので、全体として読む量は多い。古文は難解な文章でなく、主語判定や古語の解釈など基本的な問題が多いので、古文で得点できるよう対策をしたうえで、読む量にも慣れておきたい。 理科 大問1　物理　運動と力　〔標準〕 大問2　生物　植物の分類、植物のはたらき　〔やや易〕 大問3　化学　炭酸水素ナトリウムの分解、石灰水の白濁　〔標準〕 大問4　地学　空気中の水蒸気　〔標準〕 　各分野ほぼ均等に出題されている。大問1は、エレベーターの中の人が受ける力を考える問題であった。実際にエレベーターに乗ったときの感じ方を覚えている人は自信をもって解答できたと思われる。大問2のAは、植物の特徴と分類に関する基本的な知識を問う問題、大問2のBはカキの実の養分のたくわえ方を考える問題で、リード文の内容をしっかりと読み取る必要がある問題であった。大問3は炭酸水素ナトリウムの分解を題材にした問題、大問4は、空気中の湿度に関する問題で、いずれも問題集では必ず扱われる内容なので、確実に得点したいところである。全体として、各単元の知識と基本的な考え方、さらに問題文から得られる情報を理解する力が必要であった。 社会 大問1　森林に関する三分野融合問題　〔標準〕 大問2　中国を中心とした歴史の年表　〔やや易〕 大問3　岡山市の地形図　〔標準〕 大問4　G7サミット（政治と経済）　〔標準〕 　問題構成は例年通り。大問1は、森林に関するリード文から地理・歴史・公民に関する設問に解答する問題で、標準的な問題が多かったが等高線や資料の読み取りに時間がかかる。大問2は中国を中心とした東アジアに関する紀元前16世紀から20世紀までの年表からの歴史の問題。一問一答の問題が多く、取り組みやすい。大問3は岡山市の地形図からの読み取り問題。写真を撮影した地点とその根拠を答える問題だが解答でふれることは示されているのでどう字数をまとめるかがポイントとなった。地形図は、例年出題されるので、事前に多くの問題にあたっておくとよい。大問4はG7サミットの議題をまとめた資料をもとにした政治と経済の出題。正誤判定問題は慎重に読み解けば正答できる。全体的には、記述問題が、60字以内で解答する地理の問題が1問、50字以内で解答する問題が地理と歴史で1問ずつ出題された。指定語句からヒントを得て、文章にまとめると良い。 　このレポートは2024年2月15日（木）に、速報として京進の中学・高校受験TOPΣにより作成されたもの。 　京進は関西・愛知を中心に全国で学習塾、個別指導教室を展開している。最新の脳科学に基づく学習法は、自ら学ぶ力を育む学習法として高い効果を上げている。 協力：京進