ナニワの夏は「ギャルみこし」で大盛り上がり! 熱気と笑顔に溢れた天神橋筋商店街を現地ルポ
大阪の夏の訪れを告げる天神祭。学問の神様として知られる菅原道真を祭る大阪天満宮の祭事で、西暦951年6月から始まったとされており、日本三大祭りとしても知られる夏祭りだ。 かわいい…!真夏日でも元気いっぱい!ギャルみこしの担ぎ手たち【写真】 その天神祭の宵宵宮(7月23日)に合わせてあるお神輿が大阪天満宮を目指す。女性だけの担ぎ手で構成される「ギャルみこし」だ。正式名称は「天神祭女性御神輿」である。 1981年に第1回目が始まったこのギャルみこしは、地域振興と大阪文化の高揚、明るく楽しい街づくりを目指しての開催となった。大阪天満宮のお膝元である日本一長い商店街としても有名な天神橋筋商店街の4町会が協力し、今年で41回目を迎えた。 お神輿ということで神事であるものの、第1回目は天満宮への参拝は認められず、第2回目より御歯車講(おはぐるまこう)という、菅原道真公をお運びする乗り物の随員として天満宮への参拝が認められたという。 神輿の担ぎ手は面接選考会で選考される。応募資格は15歳(中学生不可)から30歳の体力に自信のある健康的で元気な女性が対象となる。毎年6月中旬に書類選考が始まり、7月初旬に選考会が開催される。今年は146人の応募者の中から80名が面接選考会で選ばれた。 選考会も独特で、重さ80kgある天秤棒を担ぐほかに、自己PRとして2分間で特技を披露する場面が設けられている。楽器を演奏したり、日本舞踊や武道、一発芸など多種多様な特技を披露し、さながら吉本や松竹のオーディション会場のような場面も多く、笑いあり、涙ありの選考会だ。 女性たちの職業もさまざまで、高校生から主婦、消防士や医師、バーテンダーや教師などバラエティー溢れる参加者の面々が集う。大阪府民以外の応募も可能であり、また、外国籍の応募者も多く、今年はインドネシアや台湾、アメリカなどさまざまな国籍の女性も多いのがギャルみこしの特徴だ。 無事に選考会を通過した女性陣は本番の1週間ほど前にオリエンテーションを行い、神輿を担ぐ準備を行う。 巡行当日の7月23日。お神輿は11時30分にJR環状線天満駅近くからスタートした。 商店街やその周辺に設けられた御旅所(おたびしょ)という施設で休憩を取りながら大阪天満宮を目指す。お神輿は1基約200キロの重量だ。2基あるので40名で1基ずつ担ぐことになる。 この日の大阪市内の最高気温は約36℃の猛暑日。そんな中でも「わっしょい! わっしょい!」という元気な掛け声とともにお神輿がスタートした。 お神輿の重さも感じさせない元気いっぱいな様子で商店街を進む。各店舗の店員や買い物客らが彼女らに声援を送り、彼女らもまた精いっぱいの笑顔で返答する。御旅所などに立ち寄ったのち、お神輿は15時前に大阪天満宮へと宮入した。 参拝を終えると、本殿前で2基のお神輿が勢い良くその姿を披露し、再び商店街を進みゴール地点へと向かった。17時前には巡行を終え、体調不良者等を出すこともなく無事に到着すると全員で大阪締めを行い、フィナーレを迎えた。 参加者に話を聞いた。10代の女性は「初めて参加することができましたがとても良い思い出になりました。しんどいより、とにかく楽しいです!」とコメント。また20代の女性は「20代最後の思い出になりました。ギャルじゃなくても参加できるので、もっと早くに知っていたら参加したかった」と話す。 大阪の夏の訪れを告げる天神祭のギャルみこし。これからもアツい盛り上がりを見せてくれそうだ。
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