はやぶさ2の状況は? JAXA会見(全文3)地球帰還は来年11月か12月の予定
チームワークでタッチダウンを成功
あと、3つ目、4つ目が個人的にはかなり大きいと思っていますが、初号機の経験値を生かせたことが3つ目です。「はやぶさ」初号機という、イトカワにタッチダウンをした初号機の衛星があって初めて、その計画をベースに改善するべきものは改善して、受け継ぐべきものは受け継いでやるということで、その先の運用設計に集中するということができたと思っています。 4点目ですが、これはもうすでに「ONE TEAM」というような言葉も使っていただきましたけれども、JAXAとNECが一体となってチームワークを持ってやれたのかなというふうに思っています。お互いの役割をしっかり尊重しながらも、お互いに相手が出してくるものをそのまま信じるのではなくて、本当にそうなるんだろうか、本当に自分のインプットからそのアウトプットが出てくるのかといったところを突き詰めて、お互いがレビューをするというふうなことで、非常にいい意味で任せきらない、けれども任せるところは任せるという、そういうところがしっかりできていたのかなと思います。 最後ですけれども、今、小惑星近傍運用を終えて、非常に小惑星の形状とか未知の困難がすごく多かったんですけれども、チームワークでタッチダウンを成功させることができました。また、クレーターの生成ですとか、2回タッチダウンができましたといったところで、初号機を超える多くの成果が達成できたことを大変うれしく思っています。初号機の関係者の皆さんですとか、これまで製造に関わってきたNEC社内、あるいは社内外のたくさんの皆さまの思いというものを達成できて良かったなと思っています。皆さんにはあらためて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます。まだ期間が残ってますので、そこも頑張りたいと思います。 益田からは以上です。大島にいったん返します。
初号機のときはこんな写真は撮れなかった
大島:再び大島です。時間が押してて大変申し訳ないです。もうしばらく時間をいただいてお話ししたいと思います。これが第1回目タッチダウンのときの映像ですね。ちょっとめくりながら話します。 初号機のときにはこんな写真は撮れませんでした。これはJAXAさんのCAM-Hというカメラが撮った写真です。未知の世界に行くというのは探検であり、冒険なんだなと思ったのがこの画像ですね。ちょっと乱れてますけど。こんなにもたくさん小惑星表面の破片が舞い散るとは、事前には想像だにしていませんでした。そのために第2回タッチダウンはだいぶ苦労することになるんですが、そこは初号機からは刷新された新しいメンバーが本当に知恵に知恵を絞ってやるべきことを考え、成功させたんだと思います。第2回は、ただ2回目というだけではなくて、タイムカプセルの殻をこじ開けて、太陽系ができた当時に手が届くかもしれない、そういうかけらを持ち帰ったんではないかなと考えております。これからも世代を継いでいきながら人類のフロンティアを拡大していくことを希望したいと思います。最後、もう1枚、話をしたいと思います。