海外メディアも日馬富士引退一斉報道「責任取るも暴力撲滅されず」と批判も
暴行事件の責任をとっての横綱・日馬富士引退のニュースは、海外メディアが一斉に記事を発信するなど、その衝撃は世界各地へと波及した。 オーストラリアの放送局ABCは、「(北朝鮮の)ミサイルが発射されても日本のニュースは相撲力士の引退が最優先」との見出しで、「水曜日は北朝鮮のミサイル発射が大ニュースとなったが、それは日本のニュース速報のトップとはならなかった。先の見えない相撲界からの別のニュースがその場を奪った」と日馬富士の引退を報じた。 「飲み屋での喧嘩に関与したことで、横綱の日馬富士が引退の記者会見を開いた。横綱は『大変迷惑を掛けたことを心から深くおわび申し上げます 』と話し深々と頭を下げた」と引退会見の冒頭で20秒以上にわたって頭を下げたシーンを伝えた。 また「大手新聞社の読売新聞は午後に号外を発行した」と、号外が配られている写真を付けてニュースの衝撃の大きさを紹介した。 「事件の新たな詳細が明らかになってきた、この数週間にわたり、スキャンダルの新展開が日本で大きく扱われてきた」と記し、「相撲協会は、普段こうした問題は内部で解決するが、(今回は)若い力士が頭蓋骨骨折を負い警察が調査を行っている」と、経緯を説明した。 「安倍晋三首相も、北朝鮮のミサイル発射でスケジュールの見直しを余儀なくされる多忙な1日だったが、日本の国会で日馬富士について述べる時間があった」と報じ『相撲は国民の関心の極めて高いスポーツであります。このたびの相撲界における暴力問題は現在、日本相撲協会において事実確認中であるものの、極めて遺憾であります 』という安倍首相のコメントまで掲載された。 日馬富士の出身地であるモンゴルの国営通信社であるMontsame」も英字記事で「横綱のD.ビャンバドルジ(日馬富士の本名) が相撲から引退」と見出しを打ち「ビャンバドルジが仲間のモンゴル人力士へ暴力を振るったスキャンダルにより日本相撲からの引退を発表した」と、引退会見の内容を報じた。 「引退届が日本相撲協会に提出され、横綱の日馬富士は、日本の相撲スポーツのキャリアを17年間で終えた。ビャンバドルジは、モンゴル人として3人目、海外出身の力士として5人目の横綱に2012年11月に昇進していた」と、引退までの経緯を伝えた。 英国の高級紙、ガーディアン紙も、「大相撲のチャンピオン、日馬富士が暴行事件に倒される」との見出しで、「大相撲最大のスターの1人が、仲間力士への暴行容疑を受けて引退を発表した」と報じた。 記事は「4人いる横綱の1人、日馬富士が貴ノ岩に頭がい骨骨折と脳振とうを負わせた暴行の容疑から数週間後に引退すると語った」とし、「水曜日に生中継の記者会見で『貴ノ岩関にけがを負わせたことに対し、横綱としての責任を感じ、本日をもって引退させていただきます。国民の皆さま、相撲ファンの皆さま、相撲協会、伊勢ケ浜部屋の後援会の皆さま、親方、おかみさんに大変迷惑を掛けたことを心から深くおわび申し上げます 』と話した」と、引退会見の様子を伝えている。