海外メディアも日馬富士引退一斉報道「責任取るも暴力撲滅されず」と批判も
「このモンゴル人力士がキャリアの頂点から身を引くという劇的な出来事は、これまで悪評のあった相撲が人気を回復する最中に起きた」とし、「10代の新弟子が部屋から脱走したことへの罰として兄弟子から暴力を受け死亡した事件から10年が経つ。このスポーツにおける暴力行為は、いまだに撲滅されず、相撲協会への批判が高まっている」と、問題提起。 記事では同じモンゴル人力士だった横綱の朝青龍が2010年に一般男性への暴行容疑で引退したことにも触れ、「日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方は、『相撲協会や一般世間へ大きな迷惑を掛けた ことで、横綱として自身の行為に責任を取らなければならない』と語った」と、引退の背景を説明した。 また、その引退会見で、日馬富士が暴力事件を起こした理由を「弟弟子が礼儀と礼節がなっていない時に、それを正し、直し、教えてあげるのは先輩としての義務だと思っています。だが、いき過ぎたことになってしまいました 」と説明したことを紹介。 「『酒癖が悪いと言われたことは今まで一度もない。お酒を飲んだからこその事件ではない』と、暴行時に泥酔していたことは否定した」と続けた。 記事では最後に横綱審議委員会の北村正任委員長の「大変なダメージだ。相撲ファンの期待を裏切るものだ」との声を掲載。「日本メディアが一致して日馬富士と相撲協会を非難、一般ファンの相撲への興味が低下することを危惧している」とも記している。 また英国のBBCも「日本の相撲スター、日馬富士が『暴力暴行』で引退」との見出しで記事を発信。「大相撲のチャンピオン日馬富士が、日本で非常に儀式的なスポーツの大相撲を揺るがせるスキャンダルを起こし、引退を発表した」と報じた。 記事では、「日馬富士が後輩力士を暴行した疑いで調査を受けている」とし、日馬富士の引退会見での謝罪の様子を伝えた。その上で「日本の相撲界は近年、暴力、暴力団との癒着、八百長といったスキャンダルに直面している」と、こちらも問題提起した。 同局は、海外のメディアらしく、横綱の引退という衝撃を伝える傍ら、日本の国技である相撲についても、「日本では何百年と愛されている伝統のスポーツ」、「2人の力士が土俵で向かい合い、倒したり、土俵の外に押し出す」、「年間6回の本場所があり、それぞれで15試合ずつ戦う」、「力士は伝統的に四股名を受け、番付で格付けされ、最高位の横綱をゴールに目指す」と、一から詳しく説明した。