就任8カ月で"全員開花"…箱根駅伝で63年ぶりシード狙う立教大監督「駒澤大×トヨタ式ハイブリッド人材育成」
■63年ぶりのシード権獲得へ 全日本大学駅伝本選と、箱根予選会で波に乗った立大は今回の箱根駅伝に3年連続30回目の出場を果たした。 「目指すはズバリ、63年ぶりとなるシード権獲得です」と髙林監督。前回は選手たちが出走オーダーを考えていたが、今回は監督がレースプランを描きながら決めていく。 「調子、適性や走りの特徴、希望区間も聞きながらフラットに決めていきたいと思います。シード権が目標なので、往路の流れがポイントになるんじゃないでしょうか。全日本大学駅伝の戦いが面白かったなと思っていて、2区で14位まで順位を落としたんですけど、そこからじわじわ上げていき、最後は7位でフィニッシュしました。こういう駅伝を箱根でもしたいですね。とにかく地力が上がっています。春の段階では、『これではな……』という感覚だったんですけど、今は胸を張って『シード権を目指します!』といえるようになりました」 立大の指揮官に就任してまだ8カ月。チームを劇的に変えつつある中、こう語った。 「(駒大の)先輩の前田康弘さんも國學院大を強くしていますし、私としては母校・駒大に『ライバルです』と言ってもらえるのが将来的な目標ですね。恩師の大八木弘明総監督のように、人を育てて、夢を与えられるようなことをやっていきたいです」 駒大式、トヨタ式でもまれた37歳の監督が、長い歴史を誇る箱根駅伝で古豪・立大に“華麗なる復活劇”をさせることができるか。大いに期待したい。 ---------- 酒井 政人(さかい・まさと) スポーツライター 1977年、愛知県生まれ。箱根駅伝に出場した経験を生かして、陸上競技・ランニングを中心に取材。現在は、『月刊陸上競技』をはじめ様々なメディアに執筆中。著書に『新・箱根駅伝 5区短縮で変わる勢力図』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。最新刊に『箱根駅伝ノート』(ベストセラーズ) ----------
スポーツライター 酒井 政人