日ハム・五十幡亮汰はなぜ“ドラフト2位”指名だった?「あれだけの足があるのに…」 記憶に残るスカウト評 プレミア12で代表大抜擢「ホントの理由」
なぜ五十幡は「2位指名」だったのか?
スッと胸に落ちる見解をいただいたことがある。 少し前のコラムの「横浜DeNA・牧秀悟選手は、どうしてドラフト1位ではなかったのか?」でも触れたが、五十幡選手は中央大で牧選手と同期生。当時も、「牧秀悟、なぜ2位?」の議論はいろいろあったし、また、逆の意味で、「五十幡亮汰、なぜ2位?」も問われていた。 そういえば当時の関係者の方が、こんな話をしていた。 2020年・秋、すでに翌年のシーズン終了時に、新庄剛志氏の日本ハム新監督就任の準備が始まっていたという。 「新庄監督が機動力野球をやりたいっていうのは、聞こえてきていたからね。足の速い選手がほしかった。あの年、ウチは盗塁数がリーグ最低だった(48盗塁)。優勝した西武(134盗塁)の3分の1ですよ」 チーム防御率は3.76。投手陣の状況も逼迫していたから、1位は地元・北海道の伊藤大海(苫小牧駒澤大)。これは、決定事項だったという。 「だから、2位で何がなんでも足のある選手。それも、盗塁できるスピードと走塁センスのある選手。選択肢はそんなになかった。亜細亜の矢野か、獨協大の並木(秀尊、外野手、現・ヤクルト)か。あの翌年は、阪神の中野(拓夢)がルーキーで盗塁王になったんだけど、社会人(三菱自動車岡崎)の頃の中野はそんなに走ってないからね」 ハイレベルな東都六大学のリーグ戦で1年生からレギュラーで実戦経験を重ね、走塁のカンを磨いてきた五十幡選手が、総合評価で一枚も二枚も上。それが「日本ハム、五十幡亮汰・2位指名」につながったという。 その関係者の方は、こう付け加えてくれた。 「仮にレギュラーになれなかったとしても、肩も抜群に強いし二塁手だけじゃなく外野手も十分こなせる。五十幡みたいな選手が、チームのワンピースとして25人の中に1人いると、チームって強くなるんだよ」 そんな思い出ばなしを、日本ハム・大渕隆スカウト部長としていたら、「あっ、すごい場面を思い出した」という。 「立教とオープン戦をやった時ですよ。センターの定位置よりちょっと深いぐらいのフライで、二塁にいた五十幡がタッチアップして、そのまま三塁を回り込んで、ホームにすべり込んできた。もちろん、セーフですよ。あんなプレー、初めて見ました。あれ以降も、あそこまでのベースランニングのスピードと凄み、出会ったことないですね」
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