坂東玉三郎、片岡仁左衛門と初春特別公演 名コンビが大阪松竹座で19年ぶり共演
歌舞伎俳優の坂東玉三郎と片岡仁左衛門が共演する大阪松竹座の初春特別公演が、11日に開幕する。同座では5年続けて1月公演への出演となる玉三郎は「後世に残る、残らないは関係ない。来てくださったお客さま、直接お会いしたお客さまにこの時間を楽しんでほしい」と歌舞伎への思いを語った。 演目は「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」と舞踊の「神田祭」。いずれも昨年4月に東京・歌舞伎座で上演され、好評だったことから、「せっかくなので、大阪でも見ていただきたい」と、大阪松竹座では19年ぶりとなる名コンビの出演が決まった。 「於染久松ー」で演じる「土手のお六」は、「悪婆」と称される役柄。ただの悪役ではないところが難しく、「悪婆の独特なところは、すっとんきょうな部分。おかしみ、愛嬌(あいきょう)が必要。どんなに悪態をついていても、かわいさやおかしさ、間抜けさがなければいけない」という。 仁左衛門とは、若手の頃から半世紀以上にわたり共演を重ねてきた。「仁左衛門さんが望んだわけでもなく、運命的にそういう流れになった。(先代の市川)團十郎さんが早くに亡くなられたので、この世代に夫婦役としてずっとやってきた2人が残ったのだと思います」 そんな自身の芸歴を踏まえ、「その時代に偶然生まれるコンビ、夫婦役が出てくる。これは、つくろうとしてもできない」と玉三郎。「(次世代の)女房役がどこから出てくるかを考えている」と期待を込めた。公演は26日まで。