「閉経ババア」目にした衝撃…若くない女性をあの手この手でけなす日本の不思議
若い女性を「チヤホヤする」文化
日本に長く住む筆者が感じていること、それは「年齢」に関する考え方が海外と日本ではだいぶ違う、ということです。特に、日本で生活している女性は、自分では気にかけていないのに「周りが勝手に年齢を気にしている」と感じられる場面が少なくありません。今回は、日本と海外を比べながら女性の「年齢」について考えます。 日本に来てから数年間、筆者はよく「チヤホヤ」されたものでした。今振り返ると、それは「外国からやってきたばかり」だというのもあったでしょうが、「若かったから」という理由が大きかったように感じます。 「チヤホヤ」の内容はというと、たくさん褒められたり、いろんな会合やイベントに誘われたり、周りにやたら人が集まってきたり――などなど。この「チヤホヤ」は当時、筆者の目にとても新鮮に映りました。というのも、筆者が育ったドイツには「若い女性をチヤホヤする」文化はなく、当然ながら筆者もドイツでチヤホヤされた経験などなかったからです。 ドイツでは、10代や20代の女性について「やっぱり若いってのはいいな~」という趣旨の発言を耳にする機会はまずありません。ただ、「若いから人生これからだね!」というような励ましは、性別を問わずよく聞きます。一つハッキリと言えるのは、ドイツには「若い女性を無条件で良しとする」考え方はないということです。 結果として、日本の一部に見られる、若さゆえに「高価なプレゼントをもらえる」「おごってもらえる」なんていう現象もないわけです。なんだか寂しいね、と言われればそれまでですが……。 ただ、女の人生を長い目で見たとき、若い時に過剰にチヤホヤされると、「その後の人生」において「若かった頃との扱いの落差」にモヤモヤしてしまう場面も多々ありそうです。ドイツにおいては、単刀直入に言ってしまうと20代だろうが50代だろうが、女性の扱いは同じ。周囲の接し方が、年齢によって変わることはありません。 負け惜しみと思われるかもしれませんが、筆者は40代の今のほうが、日本で暮らしていて居心地がよいと感じます。 というのも、20代の頃は、チヤホヤされていた一方で、筆者が何か意見を言うと、「軽く受け止められる」ことが多かったからです。 たとえば「女性としての今後の生き方」について「将来はこうしたい」などと語ると、反論されたり茶々を入れられたり。「分かってないくせに、よく言えるね」といった反応をされることもしばしばありました。「結婚するか」「子供を持つか」という個人的な選択をめぐって「自分はこうしたい」と言おうものなら、「そのうち気が変わるわよ」などと、本当に軽くあしらわれたものです。 それが、30代、40代と年を重ねると、チヤホヤされることこそありませんが、若い時のように意見を全否定されることもなくなりました。もしかしたら、周囲が諦めているだけなのかも……? でも、周りから余計な茶々が入らなくなり、とても楽になりました。