【定番名品シリーズ】合わせやすく品格まで備える「ダービーシューズ」は?老舗の定番から実力派ブランドの名品まで
2. TOD’S ■ 現代的な履きやすさと今風のエレガンスを両立 突起状のソールをもつドライビングシューズが世界的ヒットとなり、本邦でも多くのファンをもつトッズ。昨今はラグジュアリーなウエアも多彩に打ち出し、トータルブランドとして成長を続けている。 この外羽根式のプレーントゥは、2023年の秋冬期にリリースされ、広く人気を得たことから今季も継続される新定番的なモデルだ。イタリアンブランドらしく「軽快でエレガント」を得意とするだけに、本格的なプレーントゥも実に軽量。厚手ソールは軽く柔軟なEVA素材のため、終日の歩行でも疲れを感じにくい仕様。2重のライニングにはソフトパッドを仕込み、優しいホールド性も実現している。非常にシックな概観だが、シューレースにはロゴ入りメタルを加えており、さり気なくブランドを主張するディテールも兼備する。
3. Crockett&Jones ■ 正統派にしてカジュアルな要素と独自フィットを追求 英国靴の聖地と呼ばれるノーザンプトンにて、1879年から続くクロケット&ジョーンズ。伝統的な靴製法であるグッドイヤーウェルテッド式に長けていることはもちろん、世界的著名ブランドのOEM生産を長年こなすことから、非常に多彩なテクニックを有すことでも知られている。 この「セッジムーア3」は、数あるプレーントゥのなかでも、野趣あふれるストームウェルト(アッパーとソールをつなぐ部分を補強するパーツ)や安定感ある木型使いにして、全天候型ラバーソールを採用するなど、硬軟のバランスがほど良く取れたスペック。生粋の英国靴でありながら日本人の足型も考慮しており、かかとがきちんとホールドされる独自設計も見逃せない。まさに進化するトラッドと呼べる名品シューズなのである。
4. Tricker's ■ リラックスした洒落感が楽しめるカントリー顔に注目 1829年英国・ノーザンプトンに創業したトリッカーズは、1989年にチャールズ皇太子からロイヤルワラント(皇室ご用達の称号)を授かるなど極めて由緒正しい靴匠。特に郊外を歩くためのカントリーブーツは、堅牢かつ完成された美観を兼ね備え、長年高い評価を得ている。 写真の「ウッドストック」も定番的なプレーントゥながら、作り込みはアウトドアブーツのごとき念入り仕様。甲の部分やかかとにも革を2枚に重ね、外羽根のステッチは3列にて縫い付けるなど、非常にタフな仕上り。「4497s」と呼ばれる木型はドレスシューズのそれとは異なる幅広型。側指でなく甲全体でホールドする形状ゆえ、ゆったり履けるところもポイント。確かにディテールは頑強だが、全体的にはシンプルかつオーソドックスゆえ、幅広い服装に合わせることが可能だ。