部下のモチベーションが上がらない…吉本人気NO.1講師が教える「よいコーチング術」とは
外鍵タイプのキーは「オリジナルなインセンティブ」
外鍵タイプの相手にはインセンティブ。いわば「報酬」がモチベを上げていく動機になります。 給与アップ、昇進や出世などもそれに当たりますが、リーダーにはそこまでの権限はないので、適切な「評価」や言葉によって「承認欲求」を満たしていく必要があります。 さらに僕は、「オリジナルなインセンティブ」を心がけてコーチしています。これは“自分ならではの報酬”を意味し、お金はかかりません。 例えば、「あなたの人脈で同郷の先輩を紹介する」や、「悩みやストレスを緩和する映画や本を教える」など、自分のキャリアや経験を活かして様々なバリエーションが付与できます。 芸人学校では、意欲はあっても、良き相方とコンビを組めずにいたり、スランプでネタが書けなくなったりして、孤立し、辞めていく生徒が一定数います。 そこで僕は、学校側にお願いして、コンビを組んでいなくてもOK、ネタを見せなくてもOKの「キャラのいいヤツだけ集めて騒ぐ授業」というのをやってみました。 授業を増やすのは負担になりましたが、そこに参加し、自信をつけていった女性徒が、現在の「ぼる塾」なので、自己流のインセンティブを付与してよかったなと思っています。 すぐにうまくできなくてもいいんです。コーチングとは長い旅ですから。焦らず、じっくり、若手を励まし、自尊感情をもたらしていきましょう。 それでは、また来週。 桝本 壮志/Soushi Masumoto 1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
COMPOSITION=古澤誠一郎 TEXT=桝本壮志