不登校の小2息子に「欲しがるものすべて」与えていい?「子どもに寄り添う」本当の意味
学校の対応と息子の変化
学校への要望が少しずつ通るようになった。 まず、池添さんや発達の専門医らと連携をとってくれるようになった。そのおかげで、アキラくんは学校の外にある学習障害(LD)の子どもをケアする「LD教室」に通えるように。勉強のサポートをしてくれ、学校以外の居場所にもなりうるところだ。特別支援の教員とも連携をとってくれたり、チームで動いてくれるようになったことで、3年生で担任になった教員らも理解を持って寄り添ってくれるようになった。 アキラくんは、読み書きが難しかったり、例えば漢字の書き順が困難だった。文章の理解やとらえ方が他の子どもと少し異なる。話し言葉の理解も、とらえ方が違ったり、理解がうまくできないこともある。池添さんからは息子に合ったアプローチの仕方を考えてあげたほうがいいとアドバイスされた。 能力に凹凸があるため、漢字がスムーズに書けない一方で自分の好きなことに関する知識の吸収は凄まじかった。魚が好きで、図鑑を読みふけった。世界の海域ごとに生息する魚を言えた。見ただけで魚の名前もパッと出た。LD教室のスタッフに魚好きを伝えると、興味に合わせて魚を使った教材を作ってくれた。おかげで、学習の遅れが少しずつ解消された。 魚好きになったのは、2年生で不登校になった時期からだ。同居する祖母と近所の魚屋に行って興味を覚えた。もともと生き物が好きな子だったがより興味が広がったようだった。不登校で家にいた時間を使って、魚屋をはじめ水族館にも通うようになった。祖母や母親と一緒に魚を調理。2年生で包丁を持ち、魚をさばけるようになった。最初にさばいたのはサバだ。 マサトさんが帰宅するとテーブルに塩サバが。祖母に「これ、アキラがさばいたんだよ」と言われて驚いた。学年が上がるごとにさばける魚は大きくなり、鯛やマグロもさばけるようになった。買ったものでは飽き足らず、保育園時代に経験のある釣りに行く頻度が増えた。マサトさんは魚をさわれないほど苦手だったが、息子に付き合って休日は海に向かった。