頭痛、倦怠感、不安感…その原因は「自律神経」かも。1日1回のなぞり書きで整える
季節の変わり目や、日々のちょっとしたストレスから、倦怠感などの「なんとなく不調」を感じることはありませんか。じつはそれ、“自律神経の乱れ”が原因かもしれません。今回は、順天堂大学医学部教授・自律神経研究の第一人者として知られる小林弘幸教授から、自律神経が乱れによる不調の仕組みや、乱れを整えるヒントとして、「なぞり書き」の習慣を教えてもらいました。毎日10分なぞり書きをするだけで、心と身体のモヤモヤがすっきり。今すぐ生活に取り入れてみませんか。
「自律神経」とは?
内臓や代謝、体温など、私たちの意思とは無関係に働く体の機能を調節しているのが、自律神経です。 調節には心身を活発にする「交感神経」と心身を休ませる「副交感神経」の2つの神経が、1日の生活リズムに沿ってバランスよく作用する必要があります。 このどちらかが働きすぎたり、うまく働かなかったりすると引き起こされるのが、頭痛や倦怠感、不安感、不眠、動悸などの不調です。 これらを総称した「自律神経失調症」のほか、命に関わる病気を発症してしまうこともあります。
どうして自律神経は乱れるの?
自律神経はとても繊細です。ストレスを筆頭に、加齢や不規則な生活習慣や、身の回りの環境の変化、偏った食生活などによってもバランスが崩れてしまいます。とはいっても、現代社会においてこうした原因を避けて生活するのはなかなか難しいですよね。 だからこそ、自分の体や自律神経の状態について知ることが重要。そして、自律神経が乱れていると感じたら、その原因を探って改善し、意識的に整えてあげることが大切です。
自律神経が整うと得られる5つの効果
では、自律神経が「整う」とどのような効果があるのでしょうか。
●1:「なんとなく不調」の軽減
頭痛や倦怠感、不安感、不眠、動悸など自律神経の乱れにより引き起こされる不調が軽減。
●2:年を重ねても若々しくいられる
血流や胃腸の調子がよくなり、肌や髪にはツヤが出て、疲れも感じにくくなる。
●3:仕事や勉強のパフォーマンス向上
交感神経・副交感神経の両方が高いレベルで働いた状態だと、能力を十分に発揮しやすくなる。
●4:がんの進展に影響
自律神経ががんの進展や予後に影響。副交感神経の高まりはがんを抑え込む働きをする。