小3の娘はなぜ「短」の字を「豆へんに矢」と書き間違えるのか ヒントは「1、2年生で学習した漢字」
豆が矢だったら?
とまぁ、ここで終わってもいいのだけれど、娘には一応正しい漢字も教えておくことにした。 私「『短い』って『矢』書いて『豆』やろ。『矢』が『豆』みたいにちっちゃかったらどう思う」 娘「短っておもう」 私「そうやなぁ、ほんなら(めっちゃ関西弁 「それなら」の意)豆が矢やったら、食べたらどう?」 娘「豆が矢やったら? 痛いわぁ 豆が矢やったら食べたら痛い! 痛い!」(関西人は二度繰り返す) 私「矢が豆みたいにちっちゃいから『短い』、豆が矢やったら、食べたら痛いだけ。どう? 分かった?」 娘「分かった、分かった。あっはっはぁ」 3年後、娘は6年生で「痛」を学ぶことになるのだが、漢字テストで「いたい」に対して「豆へん」に「矢」と書き間違わないか、ひそかに期待したが、面白いことは、そうそうは起こらないのだ。 西尾新(にしお・あらた) 2003年に京都大学教育学研究科博士号(教育学)取得。現在、甲南女子大学人間科学部総合子ども学科教授。専門分野は、発達心理学、教育心理学。ゲーマー、持ちブキはスシコラ、ウデマエはS、アルバイトはたつじん3。共著書に、『公認心理士の基礎と実践(8)学習・言語心理学』(2019年遠見書房刊、第8章「非言語的・前言語的コミュニケーション」担当)。 デイリー新潮編集部
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