新庄監督、勝負の3年目は"普通"になること!? 補強に積極的な日本ハムが"パ の主役"になる
昨季も加藤豪将、石井一成、細川凌平、奈良間大己(たいき)らが争ったセカンド。そして、上川畑大悟、中島卓也、水野達稀、奈良間らが起用されたショートの二遊間はどうか? 「ショートの第1候補は上川畑ですが、守備力だけ考えるなら上川畑がセカンドで、水野をショートに固定するのも面白い。打撃力では引っ張って本塁打も打てる奈良間が魅力的な存在で、身体スペック的にはショートよりもセカンドで固定したいです」 いずれにせよ、二遊間で誰が飛躍できるかが日本ハム最大の課題だという。 「エスコンは天然芝で守りにくい点はあるにせよ、二遊間を固定できずに勝つチームなど見たことがない。日本ハムが強かった2000年代後半もセカンドは田中賢介、ショートは金子誠で固定。昨季の阪神躍進も、中野拓夢のセカンドコンバートの成功と、それに伴うショートの木浪聖也の台頭が大きな要因でした」 ■上位躍進への課題は新庄監督の「普通化」 以上の陣容を踏まえ、日本ハムの今季展望はどうなりそうか。リーグ優勝も狙えるだろうか。 「いきなり優勝は高望みかもしれませんが、昨季の得失点差は5位の西武とほぼ一緒で、4位の楽天よりも良かったので、実はもっと勝っていてもおかしくなかったチームです。今季はまずAクラス入り、CS進出が目標になります」 ここまで紹介したように、「投打とも選手たちのポテンシャルはかなり高い」と語るお股ニキ氏。その半面、きめ細かさに課題が残る。 「野手はパワーも足もあるけど、三振が多く、守備が粗めな選手が多い。投手陣は逆に、技術や制球力はあるけど細身の選手が多く、平均球速が物足りなかった。そこにドラ1の細野やザバラら、球威のある選手を獲得。パワーやポテンシャルを持った上で、どれだけきめ細かに緻密な野球ができるかが問われています」 そこでお手本となるのが昨季日本一の阪神であり、新庄監督が岡田彰布監督のように"普通"に徹することができるかどうか、だという。 「この2年間を見ても、新庄監督は選手の能力を見いだす眼力はすごい。ただ、天才的なヒラメキで何かやってやろうという思考が強すぎるかもしれません。 普通に考えれば、阪神の大山悠輔と佐藤輝明のように、清宮の守備位置は一塁、野村は三塁で固定したほうがいい。といっても、いちいち奇をてらわず、オーソドックスに"普通"をやり切るのは相当難しい。それができたのが岡田監督なんです」 確かに清宮は昨季、不慣れな三塁守備でリーグ最多の13失策。野村も初めてのレフト守備に戸惑う場面があった。そのほかにも度重なる守備位置変更で、チーム失策数は両リーグワーストを記録した。