性加害疑惑報道のサッカー伊東純也が親善試合で帰国 代表離脱に至る森保一監督との「本当のやりとり」
1月のアジア杯期間中に性加害疑惑の報道があったサッカー日本代表の伊東純也(31)と、チームメートである中村敬斗(23)が所属するフランス1部リーグのスタッド・ランスは7月24日のJ1磐田戦を皮切りに、8月3日にJ1神戸戦まで4試合を行う。2人はチームメートと共に22日に静岡に入った。スポーツ紙サッカー担当記者はこう明かす。 「不起訴ならば…」サッカー伊東純也 スキャンダルに厳しいスポンサーからも「代表復帰OKの公算」 「日本代表で将来性を期待されていた佐野海舟が不同意性交容疑で逮捕されました。ドイツのクラブ・マインツへの移籍が決まった直後の逮捕劇に、日本サッカー界は大いに揺れています。『佐野逮捕』の衝撃の大きさにより、陰には隠れましたが、アジア杯期間中、一部報道によって性加害疑惑が取りざたされた伊東の件もすべてが解決したわけではない。今回来日するのか。来日した場合、日本の報道陣にどんな発言をするか、注目されています」 週刊新潮が疑惑を報じたのは1月31日。森保一監督(55)率いる日本代表は優勝を目指してカタールでアジア杯を戦っていた。報道によると、’23年6月に大阪市内のホテルで伊東から性加害を受けた、とAさん、Bさんが告発。伊東らを相手に「準強制性交罪」で刑事告訴していた、という内容だった。伊東はアジア杯に主力メンバーとして招集されていた。チームに残すのか、離脱させるのか、その処遇に関する日本サッカー協会(以下、JFA)の方針は二転三転した。夕刊紙記者はこう明かす。 「報道が流れた直後、JFAは伊東をチームから離脱させる方向で進めていました。しかし、代表チームの総意として『伊東は残るべきだ!』と主張しました。最も声をあげていたのが森保監督です。『(伊東)純也は有罪ではないじゃないですか。なぜ代表から離脱させなきゃいけないんですか』と訴え、JFAが最初に決定した伊東の離脱方針を差し戻しました。 慌てたJFA側が顧問弁護士らと協議をして『スポンサー側の怒り』をチーム側に伝えました。それでも森保監督をはじめとするチーム側の主張は変わりませんでしたが、伊東の落ち込みが激しく、彼のほうから申し出があって、チームからの離脱が決まったようです」 JFAがチーム側に伝えた『スポンサー側の怒り』とはどれほどだったのだろうか。前出の夕刊紙記者がこう明かす。 「これまで日本代表はスキャンダルとは無縁でしたから、突然発覚した伊東の性加害疑惑報道に対し、日本代表のスポンサー各社は怒り心頭でした。ほとんどの契約が複数年契約で、1本につき10億円以上の大型契約ばかりです。 JFAのほとんどのスポンサー契約は大手広告代理店・電通が“仲介“をしていて、JFAには8年総額350億円の収入が保証されています。 ただ、この騒動によってあるスポンサーは代表メンバーの集合写真から伊東を外したり、代表戦のCM広告を撤収する社もあった。CMの撮り直しを要求する会社もあったそうです。JFAと代理店側は、スポンサー各社への謝罪行脚で大変だったそうです」 このスキャンダル報道が尾を引いたのか、アジア杯で優勝を目標にしていた日本代表はベスト8であっさり敗退。この時点で、伊東には佐野が逮捕されたときのような決定的な証拠はなく、「疑惑」にとどまっていた。一足早くチームを離れた伊東はフランスに戻ると通常通り、試合への出場を続けた。海外事情に詳しいサッカージャーナリストはこう明かす。 「フランスだけでなく、欧州は“推定無罪”の方針を貫き、伊東をこれまでと何も変わらずに主力として起用しました。伊東もそれに応えて活躍しました」 女性側に刑事告訴された伊東は加藤博太郎弁護士を代理人に立て、潔白を主張。Aさんらを逆告訴しただけでなく、報道によって多額の損失を負ったとして2億円の賠償を求める民事訴訟を起こした。 “泥沼化”の様相を見せていたが、風向きが変わったのは「冤罪」を主張していた伊東に対し、伊東を訴えたAさんら女性側から、新たな主張や近況を発信することが全くなかったことだ。 さらに週刊新潮による報道後、日本代表のあるスポンサー企業は告知画像に写っていた伊東を一時、外す処置に出たが、6月に日本代表がのぞんだW杯2次予選にむけての活動の前に再び、伊東が写っている画像を採用した。前出のサッカー担当記者はこう明かす。 「主要スポンサーの憤りは相当なものでしたから、捜査状況については会社として調べたり、代理店を通して探りを入れたりして、判断材料にしているはずです。画像を再使用したスポンサーさんは、伊東が所属クラブでは普段通り、試合に出場している現状も判断材料に加えたと思います」 7月2日、大阪府警が伊東とAさんら女性側の双方を書類送検した後、都内で会見した伊東の代理人、加藤弁護士は「(Aさんら女性側の)虚偽告訴の可能性が非常に高いとご認識いただいたと思う」と自信を見せた。 森保監督はJFAの幹部にこう訴えていたという。 「純也の家族も今回の騒動について“冤罪”を信じていました。家族であれば当たり前のことですし、(代表)チームも純也を信じるのは当然のことですよ!」 疑惑について明確にシロかクロかはっきりしていない今、渦中の伊東は森保監督の思いや、周囲で起きた現象をどう受け止めるのだろうか。プレーや言動が今後の伊東の将来を決めると言っても過言ではない。
FRIDAYデジタル