スペイン帰りのエース・毛利元亮が見つめ直す、自分の役割。5戦ぶりに見せた、“新しい形”の勝ち越し弾で勝利に貢献|フットサル
【Fリーグ】Y.S.C.C.横浜 3-5 ペスカドーラ町田(11月22日/ひがしんアリーナ) 【画像】毛利元亮がベスト5に選出! ペスカドーラ町田は第16節でY.S.C.C.横浜と対戦。今シーズン、スペインから町田に復帰したエース・毛利元亮は二度の勝ち越し弾を挙げ、チームを勝利に導いた。試合後、毛利は「みんなのおかげ」と謙虚に話しつつ、改めて自分の役割を見つめ直した。
シュートの幅を広げた、監督の言葉
横浜と町田の試合は、激しい点取り合戦となった。その中で毛利は2発の勝ち越しゴールを決め、3-5の勝利に貢献。文句なしの週間MVPに選出された。 しかし、毛利が試合を振り返った時、最初に浮かんだことは、得点ではなく「失点」だった。 「1失点目は自分のミスから失点したので、自分で取り返してやろうという気持ちでプレーしていました」 10分に礒貝飛那大の得点で町田が先制。しかしその2分後、毛利は横浜の安井嶺芽にマークを外され裏を取られると、自分のサイドを突破された。そこから逆サイドにラストパスを出されると、走り込んできた小林歩夢にダイレクトで合わせられ、同点に追いつかれていた。 決して誰か1人だけの責任ではない。それでも、失点を自責で捉えた毛利は、結果として失点を塗り替える2ゴールの活躍を見せた。 1点目は2-2で迎えた31分、自陣でボールを回していた横浜に対して前線からプレスをかけると、ボールを奪取。そのまま自ら運び込み、相手GKをかわして、ゴールへグラウンダーのボールを流し込んだ。 そして2点目は、再び追いつかれ3-3にされていた38分。味方がつないだボールを、ゴール前に走り込んだ毛利がダイレクトで合わせてこの試合二度目の勝ち越し弾を挙げた。 自ら背負ってボールを受け、ゴールをこじ開けていくタイプの毛利にしては、2ゴールとも珍しい形からの得点だった。これらの“新しい形”のゴールは、練習で甲斐修侍監督にもらったアドバイスから生まれたと話す。 「自分の得意な形にこだわりすぎないことは、甲斐さんに伝えてもらいました。特に今週の練習では、自分が背負って受けてからの反転シュートばかりを狙っていたので『周りも使ってテンポをあげて』と。背負うだけだと限りがあるので、自分で打開することに固執せず、受ける前の動きなども工夫することは意識して試合に臨みました」 その結果、特に2点目は毛利のなかでも新しいスタイルの確立につながった実感があると話した。 「2点目は(山中)翔斗の長いパスから、イソ(礒貝飛那大)が中に折り返してくれて、合わせることができました。自分もいいポジションにいれたし、みんなのいいパスのおかげです。感謝の気持ちが大きいですね」 町田は前節までに、しながわシティ、バルドラール浦安、立川アスレティックFC、名古屋オーシャンズと、上位チームとの4連戦を2勝2敗で終えた。 毛利はチャンスメイクでチームの得点には貢献していたものの、この4試合で自身のゴールを挙げることはできていなかった。 「得点以外の部分は悪くはなかった」と振り返りつつ「求められてるのはそこではない」と自分の役割を見つめ直す。 「フィニッシャーの位置にいる以上、点を取ってチームを勝たせることが自分の役割であり、求められている部分です。なので、この大事な4連戦で点を取れなかったことは悔しいですし、まだまだ足りていないことを痛感しました」 現在勝ち点「32」で4位につける町田には、まだ優勝の可能性が残されている。ここからタイトル獲得に向けて、大事なのは「全員が点を決める意識」だと強調した。 「うちはいろんな選手が得点を重ねているし、チームが勝利するためには、誰が点を取ってもいいと思っています。その上で、僕自身もチーム内で一番点を取ることも目標にしていきたいです。ここからは得失点も重要になるので、一人ひとりが点を重ねる意識をもって、自分に矢印を向けてプレーすれば、ファイナルシーズンに入った時に優勝のチャンスが見えてくると思っています」 今シーズン第16節を終えて、ゴール数「6」の毛利。リーグ終盤戦に向け、新たなゴールスタイルを獲得したエースの本領発揮は、ここからだ。