極寒の岩手に暮らす認知症の母の生活を守る工夫、ブログで反響が大きかった地味でも便利なアイテム3選
2.ドアクローザー
2つ目は、「ドアクローザー」です。 ドアクローザーは、壁とドアをワイヤーでつなぎ、ドアを開けるとワイヤーの力で扉が自動で閉まるシンプルな構造です。 なぜドアクローザーを購入したかというと、母がドアを開けっぱなしにしてしまい、せっかくエアコンで冷やしたり暖めたりした空気を、部屋の外へ逃がしてしまうからです。 夏は室温が下がらないので熱中症のリスクがありますし、冬は寒い部屋で生活しなくてはなりません。認知症の母に扉を閉めるようお願いしても、すぐに忘れてしまうので、扉が開けっぱなしになって困っていました。 ドアクローザーを設置してからは、扉が必ず閉まるので、エアコンの冷暖房の空気は逃げなくなりました。おそらく同じ悩みを抱えている介護者が全国にいるのでしょう。ブログにも大きな反響がありました。 今冬も冷え込みは厳しく、こうしたアイテムは母の生活を守るのに欠かせません。もうひとつ、ブログで反響が大きかった身近なアイテムをご紹介します。
3.薬の一包化をするための袋
3つ目は、薬を一包化するための袋です。「薬の一包化」とは服用のタイミングが同じ複数の薬を、1つの袋にまとめることを言います。 高齢になると飲む薬の種類が増えますし、朝・昼・夕・寝る前など薬を飲む回数も増えます。また食前・食間・食後など、薬ごとに飲むタイミングも違うため、薬の管理が難しくなります。 さらに認知症になると、決められた用法や用量を守ることが難しくなるので、薬を一包化することで、飲み過ぎや飲み忘れのリスクを減らせます。 わが家では現在、薬の一包化は薬局にお願いしています。薬剤師さんが包装シートから錠剤やカプセルを取り出して、別の袋に1回の服用分をまとめて包装してくれます。コストはかかりますが、認知症の母は自分でお薬の準備ができないので、やむを得ません。 本当は薬局に薬の一包化をお願いしたほうが間違いはないのですが、薬の一包化を知らないかたや、お金をかけてまでやらなくてもいいと考えるかたもいます。 そんなとき、こうした袋があると、自分で薬の一包化をラクにできます。錠剤やカプセルを包装シートから取り出さずに、はさみなどでカットして袋に入れて使います。 わたしがたまたま見つけたのは、一包化に活用する『ラクしてゴックン』という商品です。わが家の薬の一包化の話と合わせてブログで紹介したところ、反響がありました。 このアイテムで薬を一包化したあとは、お薬カレンダー(曜日と時間ごとにポケットが分かれているタペストリー)を併用して使うと、薬の飲み忘れや飲み過ぎの回数を減らせます。 今回ご紹介した3つのアイテムは、ここまで反響があるとは思っていませんでした。地味ですが、認知症介護をラクにしてくれるグッズです。 今日もしれっと、しれっと。