世界で戦った青木功のプロゴルフ人生60年:「金じゃない、人がやってないことに挑戦したかった」
滝野 雄作
ゴルフ界のレジェンド、青木功がプロテストに合格してから60年を迎える。節目の年にあたり、ご本人にこれまでのゴルフ人生を振り返ってもらった。
世界ゴルフ殿堂セレモニーでかつての仲間と再会
今年82歳となる青木は、2016年4月から4期務めた日本ゴルフツアー機構の会長職を3月で退任した。その間、スポンサーとの交渉や下部ツアー含め全国で年間40数試合ある大会全てに顔を出すなど、多忙を極めていたが、ようやく激務から解放された。まずは近況から聞いてみた。
「6月初めの10日間、娘と一緒にアメリカに行って来ました。世界ゴルフ殿堂創立50年を祝うセレモニーに出席するためです。自分は20年前に殿堂入りしたんだけど、つくづく行ってよかったと思ったよ。ジャック(ニクラス)は来られなかったけど、リー・トレビノやベン・クレンショー、マーク・オメーラなんかと再会できた」 「トム・ワイスコフの奥さんが来ていて『トムは?』って尋ねたら、2年前に亡くなったと聞いたのは残念でしたが、20年前に一緒に戦った連中と会えるというのは格別な味わいがあるよね。それでそのまま足を延ばして、パイン・ハーストで開催された全米オープンを観戦してきた。難コースだけど、松山(英樹)は粘って6位に入ったんだから、たいしたものですよ」
フロリダ州にある世界ゴルフ殿堂は、ゴルフ界に顕著な功績を残した人をたたえる組織。マスターズを創設したボビー・ジョーンズやアーノルド・パーマー、帝王ジャック・ニクラスなど往年の名手が名を連ね、青木の殿堂入りは日本人で樋口久子プロに次いで2人目となる。青木は、「ゴルフは天職」と言う。今後はゴルフとどう関わっていくのか。 「周りからは試合に出ろと言われるけど、自分はこれまで世話になった人と一緒にゴルフを楽しむ機会をうんと作りたいと思っているんですよ。ゴルフを通じて交流を深めてきたから、ゴルフで恩を返さないといけない。もちろんジュニアの育成は続けていくし、プロアマにも出るけどね。この歳になっても70台が出るかなっていう意欲はあるから、スコアには挑戦していきたいよね」