世界で戦った青木功のプロゴルフ人生60年:「金じゃない、人がやってないことに挑戦したかった」
トランプ大統領と安倍首相とのゴルフ
青木は千葉県の茂原カントリー倶楽部をホームコースとし、コース改修に関わった。現役時代はここで練習を重ね、その後も機会あるごとにプレーしている。2019年5月、トランプ大統領来日の折には、当時の安倍首相と3人でラウンドした。その時の様子を振り返る。 「トランプさんはもともとゴルフが大好きで、ハンデ1か2だったと聞いたけど、随所にその面影はありましたね。すごく真面目なゴルフをやる人。しかも、ゴルフをやる時はプレーに集中し、安倍さんと一緒にカートに乗ったら、すぐ外交の話だもの。パッパと切り替えていたのはすごい。安倍さんもやるからには負けたくないという気持ちがあったと思うけど、2人とも真剣にゴルフをやっていましたね」 「昔、自分は安倍さんのお父さんの晋太郎さんと年に2、3回ゴルフをやっていたの。だから、晋太郎さんから『うちで飯食うか』と誘われることもあって、『パパただいま』なんて声が聞こえたから『あの人誰?』『うちの晋三です』『こんばんは、青木です』って、あいさつしたこともあった。それもあって晋三さんがトランプ大統領と松山英樹と霞ヶ関カンツリーでゴルフをやって、もう1回やろうとなったときに、『今度は青木さんと回ろう』となったらしいです」 両首脳とのゴルフ当日、青木は2人にクラブをプレゼントした。 「それで当日、自分が見るところ、トランプさんのドライバーのシャフトが柔らかそうだったので、『ミスタープレジデント、チェンジシャフト、オーケー?』って聞いたら、『いいよ』って言うので、テーラーメイドの日本版のグローレのヘッドを付けて硬いシャフトで打ってもらったら、これが飛んだわけだ。それで『オー、グッド!テイクアウトしていいか』って聞くから差し上げた」 「そしたら安倍さんもオレもという感じだったから、同じように選んで、2人とも気に入ってラウンドで使ってくれた。本当に互いに意気投合していて仲がいいという印象でした。さすがに自分も緊張して、最初はクラブが手につかなかったけどね。安倍さんは気遣いのある人で、ゴルフをやった後日、我々夫婦と茂原カントリー倶楽部のオーナー夫妻を首相官邸でご飯に招待してくれましたよ」