《ブラジル》謝罪決定「差別の悲劇を繰り返さないために」恩赦委員会でのブラジル政府の声 日系社会の存在意義を再確認
【既報関連】25日午後に人権市民権省で行われた恩赦委員会における大戦に関わる日本移民迫害への連邦政府の審議で謝罪が決定されことに関して、昨日は速報として謝罪請求をした奥原マリオ純さんとブラジル沖縄県人会側の声を中心に報じた。今回は審査する側のブラジル政府側の声明をまとめた。23日には139件、24日には126件もまとめて審議されたが、25日は特別な案件2件だけで、うち1件が日本移民だった。 審議の開会式に出席したアレシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官は冒頭で、政治活動家で学生運動に参加していた父がこの委員会によって恩赦された過去があることを振り返り、民主主義や独裁政権との戦いの重要性を強調し、「この委員会の活動は平和な世界を実現するために貴重なもの。今日行われる決断は日系社会の存在意義を再確認するものになるだろう。具志堅ルイスは日系人初の人権活動家として重要であり、きっとこの日を天国から喜んでいるだろう」と語った。 感動を呼ぶ恩赦委員会の審議の様子を、コンパクトにまとめた動画が見たい方はこちらへ
シルビオ・デ・アルメイダ人権相も「大戦中の日系人への迫害や戦後のアンシェッタ島収監中に起きた拷問などの政府の間違いを認めることは、犠牲者の名誉を回復すること。特定の人種を差別する悲劇が繰り返されないように、我々は絶え間なく戦い続ける必要がある。国家建設への日系コミュニティの貢献は間違いのない事実だ」と強調した。 大臣らの退席後、エネア・アルメイダ委員長は「昨年からメンバーが刷新され、23年の委員会の歴史で初めて過半数が女性になった」と述べ、審議の方向性を示す報告官役を担ったバンダ・ダビ・フェルナンデス・デ・オリベイラ評議員は今件の概要を説明し、「謝罪すべき」との基調意見を述べた。 奥原さん、島袋栄喜ブラジル沖縄県人会元会長、比嘉玉城アナマリアさん、ブラジル沖縄県人移民研究塾『群星』編集長の宮城あきらさんを壇上に呼び、昨日報じた通り、謝罪請求理由をそれぞれが陳述した。その間、会場からは自分たちの声を代弁する演説内容にすすり泣く声が絶えなかった。