《ブラジル》謝罪決定「差別の悲劇を繰り返さないために」恩赦委員会でのブラジル政府の声 日系社会の存在意義を再確認
続いて、残りの11人の評議員の意見陳述となり、アナ・マリア・リマ・デ・オリベイラ評議員は「ブラジルの民主主義政権はまだ40年弱しかない。私のふるさとパラー州のトメアスーも強制収容所として使われていたと聞き、ショックを受けた。独裁政権時代の人権迫害を教育の場で次世代に語り継ぎ、二度と行われないようにすることが重要」とし「報告官に続く」と賛成票を入れた。 次にマリオ・アルブケルケ評議員は、サンパウロ州リンス市でも日系団体の土地建物が大戦中に凍結された歴史を振り返り「報告官に続く」と述べた。残りの評議員も次々に「報告官に続く」と賛成票をいれ、全員が謝罪の必要性を認めた。 それを受け、壇上右側に恩赦委員会の全評議員が立ち、アルメイダ委員長が「戦争に関わる全ての日本移民コミュニティに対する暴力や人種差別、人権侵害に対して、連邦政府の名においてここに謝罪する」と述べて頭を下げ、左側に立つ宮城さんを先頭にした奥原さんや沖縄県人会代表がそれを受け止めた。委員長は宮城さんと奥原さんらと握手や抱擁を交わし、亡くなった犠牲者の先人に1分間の黙祷を捧げた。
最後に若手の三線弾き4人が着物で「てぃんさぐぬ花」と「島人ぬ宝」を演奏すると、会場全体から合いの手の掛け声や口笛が響き、大合唱となり、アルメイダ委員長も音楽に合わせて体を揺らしていた。 翌日に連絡をとった奥原さんに、アルメイダ委員長は「昨日は恩赦委員会にとっても歴史的な日になった。あんなにたくさんの人が遠くから集まり、敬意に満ち、荘厳かつ深い思いに溢れた審議会は初めてだった」との感想を述べた。