【デジキューブ解散】マンガで振り返るゲーム業界:デジキューブが自己破産した日(2003年11月26日)
2003年11月26日、デジキューブが東京地裁へ自己破産を申請し、同日をもって解散した。負債は約95億円。 同社は1996年2月、スクウェアの100%出資により設立され、セブン-イレブン、ファミリーマート、サークルK、サンクスの各コンビニエンスストア店舗に専用の什器を設置し、プレイステーションの新作ゲームソフトを中心に常設での卸売をしていた。 最盛期の1998年には、ゲームソフトの販売本数が年間860万本、売上高は468億3,800万円を計上し、2000年6月にはナスダック・ジャパンに上場。しかし、2003年はゲームソフト販売数量が242万本、売上高が228億7,400万円に落ち込み、2004年同期の最終赤字が約27億円となることから債務超過の危険性があり、事業継続は困難と判断したとされ、自己破産に至った。 当時について デジキューブの誕生により、ゲームソフトがコンビニで、しかも24時間購入が可能となり「すごい時代になったなあ……」と率直に思いました。 当時はコンビニに出掛けると昼夜を問わず、あの白い什器に備え付けられたモニターから、パーフェクTV!の「デジキューブチャンネル」のゲーム紹介番組が流れていたのが、今となっては実に懐かしいですね。初代プレイステーションの時代からゲームを遊んでいた皆さんであれば、当時の大ヒット作「ファイナルファンタジーVII」をコンビニで予約、あるいはコンビニ専売ソフトとして話題になった「ブシドーブレード」、「トバル2」などを購入した経験がある人も少なくないでしょう。 筆者も当時、デジキューブ流通によるソフトを何度か購入しました。特に思い出に残っているのが、「ファイナルファンタジーIX」を近所のコンビニで予約し、発売当日の朝、出社前にお店に寄ってソフトを受け取り、仕事を終えると光の速さで帰宅して夢中になって遊んだこと。コンビニ予約特典としてもらったビビのぬいぐるみは、テレビの上に長らく飾っていましたね。 ちなみに、同社の元取締役の黒川文雄氏に筆者が取材したところ、什器の当初の名前は「G兵衛(ジーベイ)」だったそう。その後、同氏の意向により「確証はないのですが『デジキューブ・ターミナル』に改名したように思います」とのことでした。 「今日は何の日?」とは 不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事をマンガでふりかえるコーナーです。 絵:橘 梓乃 すでにライターデビューから30年が経ちましたが、自身初となるマンガ企画を当GAME Watchにて担当させていただくことになりました。今後もゲーム業界の歴史をユル~く、かつ真面目にご覧いただけるネタをいろいろご用意したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします! ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。 テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)
GAME Watch,テキスト:鴫原盛之、絵:橘 梓乃