奥尻島に悲願のホテル計画…旧町役場跡地の無償貸与受け130~140室規模で建設へ
ホテルのない北海道の奥尻島(奥尻町)で130~140室規模のビジネスホテルを建設する計画が進んでいる。宿泊施設が足りずにマラソン大会が中止になるなど、島にとってホテルは観光振興の面でも悲願だった。町は総務課内にホテル建設準備室を新設し、開業を支援する。 【写真】イワシとサバが埋め尽くす海岸「こんな大量は初めて」
準備室によると、11月26日に町民がホテルのオーナー会社「ジョイン」を設立。町は今後、旧町役場跡地を同社へ無償貸与し、運営は全国でホテルを経営する「ABアコモ」(東京)が担い、2027年春の開業を目指す。事業費は約30億円で、町は「ジョイン」へ1000万円出資する。
島では19年にホテルが閉館。現在は民宿や旅館など22か所の宿泊施設があるが、それぞれ最大でも20室程度で予約が取りにくい状態になっているという。島の恒例イベント「奥尻ムーンライトマラソン」は例年、全国から約500人が参加していたが、宿不足などを理由に19年を最後に中止が続いている。
「ABアコモ」は、「ラ・ジェント・ステイ新さっぽろ」(札幌市)など道内でもホテルを経営する。阿部吉文常務によると、島では「ホテル・トリフィート小樽運河」(小樽市)と同ブランドのビジネスホテルを想定しているという。阿部常務は「奥尻のランドマークとして外国人観光客も取り込める施設にしたい」と語る。