滝川二、土壇場PK弾…高校サッカー名門復権へ好発進
サッカーの第103回全国高校選手権大会(読売新聞社など後援)は29日、各地で1回戦の残り15試合が行われ、37大会ぶり出場の東北学院(宮城)が奈良育英(奈良)を破り、42大会ぶりの白星を飾った。前橋育英(群馬)、滝川二(兵庫)、東福岡(福岡)なども勝ち進んだ。2回戦は31日、首都圏8会場で16試合が行われる。
「初出場と同じ」緊張感で初戦突破
1―1のままPK戦突入かと思われた75分過ぎ。後半途中からピッチに出た滝川二のMF松元は攻め気に満ちていた。 持ち味はドリブル突破。左サイドからまず1人かわし、「スピードに乗れた。そのままいってやろう」と仕掛けると、相手がたまらずファウル。勝利をたぐり寄せるPKを獲得し、拳を振り上げた。 前半に先制するも、その終了間際に失点。風下となった後半は押し込まれたが、そこを耐え抜けたのが今のチームの強さだ。伝統のパスワークに加え、今年はプレーの強度を求め、走り込みを増やした。サイドの攻防で大柄な相手を当たり飛ばす場面もあり、昨年末に就任した小森監督は「最後まで走り切れたのが一番の勝因」と語った。 OBにはJ1神戸の吉田孝行監督や元日本代表FW岡崎慎司さんら、そうそうたる顔ぶれが並び、2010年度大会で優勝した名門校。それでも、3大会ぶりの大舞台に指揮官は「誰も全国を知らず、初出場と同じ」という。「緊張感を持って試合に入り、しっかり初戦を突破できたのは自信になる」と、PKを決めた主将のMF三宅。地に足をつけ、目標とする「強いタキニの復活」(松元)へ上々の発進だ。 (岡田浩幸)