名古屋で活動する“ギャル芸人”ももか 東京での仕事は「交通費がもらえたら通いたい!」
“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。2025年最初に取り上げるのは最近話題の“ギャル芸人”だ。名古屋で活動し、勢いのある女性ピン芸人を紹介する――。 最近は“ギャル芸人全盛期”と言っても過言ではない。エルフやぱーてぃーちゃんの活躍を見れば分かりますが、少し前ならゆーびーむ☆さんもすごかった。今はだーりんずの松本りんすさんと結婚してお笑いも続けています。 ギャル芸人の特徴は、舞台度胸や話術の中での瞬発力が異常に高く、言葉選びが短く分かりやすいので笑いやすい。しゃべるペースが安定しているので緊張したり、かかりすぎたりという部分があまり目につくことがないのもギャル芸人の特徴かもしれません。そんな中でも、最近勢いのある女性ピン芸人がいます。 【プロフィル】 芸名‥ももか デビュー‥2024年6月1日 事務所‥フリー 生年月日‥2004年1月20日 出身‥愛知県 現在は地元の名古屋で活動しています。昨年12月30日には、名古屋の池下シアターココで行われた賞金10万円争奪ライブ「ナゴヤお笑いグランプリOWARIZIN」で優勝されました。予選もある大会で勝ち抜き優勝したのは快挙です。まだ芸歴1年足らずですが、声量、舞台度胸、動き、テンポ、台本力がすでに備わっているようにもみえます。 なぜギャル芸人は初めからこのようなことができるのか? やはりコミュニケーション能力が高いのだと思います。常に誰かとしゃべり、友達をすぐつくり、明るく振る舞う。その生き方自体、すでにお笑いに必要なイロハが入っているのかもしれません。 愛嬌もあるのでまた会いたいという気持ちにもさせる。テレビで活躍しているギャルでもそんな人が多くいます。ももかさんは、現在開催中の「R―1グランプリ2025」で3回戦まで進出。残念ながらここで敗退しましたが、今後が期待できる逸材です。本人に話を聞いてみました。 ――お笑いを始めたきっかけは 「ずっとやりたかったけど、動き出せなくて、就活のタイミングでやろうと動きました!」 ――R―1の手ごたえは? 「みんなニコニコして見てるから、もっと笑って~」 ――将来の目標は 「いつか女芸人ナンバーワン決定戦『THE W』で優勝したい!(ちなみに昨年は2回戦敗退でした)」 ――名古屋で活動することへの思い 「女芸人さんもほとんどいないし、先輩もみんな東京行くか辞めちゃうのでギャルがフワフワしてます」 ――東京に対する思いは 「交通費が出る仕事、もらえたら通いたい!(実家大好き♡)」 ――ネタの作り方を教えてください 「未完成でも1回ライブにかけて、そこから何回も手直ししていく感じかも。あとひたすらネタ会議してます」 ――影響されたお笑い番組、芸人さんを教えてください 「めちゃイケ、エンタの神様、ネタパレ、M―1。芸人は天竺鼠」 ――活動としてはすごく順調だと思いますが、心境を教えてください 「うーん笑笑。あれ、ちょっと、どうしよ(笑)って感じです。応援してくれるファンが増えたらいいなって思ってます!!!!」 この会話でも分かる通り、言葉が簡略化されていて自分を出しながら伝えることにたけている。僕は言葉の簡略や話術は、芸歴を積んでいって初めて何とかなるものだと思っていました。でも人生のスタートダッシュが無自覚で早いギャル芸人さんには、スペックの高さに驚かされるばかりです。 そのうえネタについて会議をしているということは、ちゃんと相談できる先輩や仲間がいて、自分の考えだけで突き進まず、いったん冷静になってネタを作るという作業も普通にこなしている。このペースで進んでいけば、「THE W」優勝もあり得ない話ではないと思います。 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。
新道竜巳